デロイト トーマツ リスクサービス(DTRS)は12月4日、情報セキュリティ大学院大学(IISEC)と共同で人工知能(AI)を用いたダークウェブからのインテリジェンス抽出に関する研究を開始すると発表した。研究期間は2018年3月31日まで。
ダークウェブは、一般的なURLなどによるアクセスが非常に困難なウェブサイト群の通称で、非合法な物品やコンテンツの交換、売買などに利用されている。
ダークウェブから得られる情報は膨大かつ信頼性が低いものが多いとされ、現状ではセキュリティ分析者がが手作業で有用な情報を判別しているという。そのため、対策などに生かすインテリジェンスの抽出コストが高く、その精度や処理の時間にもばらつきがあった。
共同研究の概要
今回の共同研究では、まず対象範囲を明確にした上でダークウェブから情報を実験データとして収集し、その中から有用な情報を教師データとして選定する。教師データとは、入力されたデータに対して適切な回答を出力できるよう、AIを訓練するための特徴点を含むデータのこと。
その後、収集した実験データと選定した教師データを使用し、AIによる分析の自動化を確立、インテリジェンス業務における情報分析の効率化を図っていく。
DTRSは世界20カ国以上にあるサイバー インテリジェンス センター(CIC)を活用。IISECは、情報セキュリティに特化した独立大学院として人工知能分野を含む幅広い研究活動に取り組み、その成果を教育カリキュラムにも取り入れている。
今回の研究では、両者の強みを生かし、専門家の経験とノウハウを半自動化し、ダークウェブ分野の専門家が不足しているという課題の解決に寄与していく。