企業の働き方改革はまだまだ道半ば――。デロイトトーマツコンサルティングが先頃、そんな調査結果を発表した。いったい何がネックになっているのか。
十分な成果に至っていない従業員満足度の向上
デロイトトーマツコンサルティングが企業向けに実施した「働き方改革の実態調査2017」によると、働き方改革を「実施済み」あるいは「実施中」と回答した企業は、2015年調査時の34%から73%に倍増した。同調査は2017年6、7月にかけて実施され、上場企業を中心に238社から回答を得たという。
改革の目的としては、「生産性の向上」を掲げる企業が87%に上り、次いで「従業員の心身の健康の向上」が76%、「従業員満足度の向上」が74%となった。「企業の生産性だけでなく、従業員のエクスペリエンス視点から改革を志向する傾向が出ている」と同社では見ている。(図1)
図1:働き方改革の目的(出典:デロイトトーマツコンサルティング「働き方改革の実態調査2017」)
ただ、問題はその実態だ。図2に示すように、「改革の効果が感じられた」との回答が49%に達した一方で、「従業員の満足も得られた」と回答する割合は28%にとどまり、従業員の満足が得られなかった企業があわせて44%に上った。この結果から、同社では「働き方改革による従業員満足度の向上は十分な成果に至っていない」と見ている。
図2:働き方改革の効果実感(出典:デロイトトーマツコンサルティング「働き方改革の実態調査2017」)