IDC Japanは2月7日、国内3Dプリンティング市場の2016年実績と2017~2021年予測を発表した。これによると、2016年の総売上額は前年比5.2%減の272億円だった。2016~2021年の年平均成長率を10.6%、2021年の市場規模を450億円と予測している。
なお、国内3Dプリンティング市場は、3Dプリンタ本体、3Dプリンティングサービス、造形材料で構成。3Dプリンティングサービス市場は、受託造形サービスと3Dプリンタ修理/保守サービスで構成されている。
IDCによると、2016年の3Dプリンタ本体の売上額は前年比成長率19.0%減の115億円、3Dプリンティングサービスの売上額は同7.4%増の100億円、造形材料の売上額は同9.4%増の57億円だった。3Dプリンタ本体売上は2015年に続きマイナス成長となった。3Dプリンティングサービスと造形材料の売上高は増加したが、市場全体としてはマイナス成長となった。
3Dプリンティング市場は2017年にプラスに転じ、2021年まで成長が続くとみている。3Dプリンタ本体の年平均成長率(2016~2021年)は7.0%、2021年には161億円の規模になると予測する。3Dプリンティングサービスと造形材料はそれぞれ同6.9%、同21.0%、2021年の売上額はそれぞれ140億円、149億円と予測している。新しい造形技術や造形材料の開発が継続して行われており、これまで3Dプリンティングが利用されていなかった分野で活用されている。新しい造形材料によってこれまで作製できなかった造形物が作製できるようになることが期待される。

国内3Dプリンティング市場 売上額実績および予測(出典:IDC Japan)
※2016年は実績値、2017年以降は予測
産業分野別に見ると、製造業が最大市場で2016年には国内市場全体の76.8%を占めていることが分かった。医療分野が3.7%、教育分野が2.3%でこれに続いた。これらの分野は、2016~2021年の年平均成長率でそれぞれ10.7%、18.5%、13.6%と非常に高い成長率が予測されており、2021年においても国内市場の大部分を占めるとIDCは見ている。

国内3Dプリンティング市場 売上額実績および予測 産業分野別(出典:IDC Japan)
※2016年は実績値、2017年以降は予測