IDC Japanは1月18日、国内製造業の勤務者を対象とした3Dプリンティング市場のユーザー調査分析結果を発表した。これによると、製造業のうち3Dプリンタを使用している上位3業種は生産用機械器具、輸送用機械器具、電気機械器具であることが分かった。
3Dプリンタは、国内では主に製造業で使用されている。3Dプリンタで作製されているものは試作品が多く、85.7%の企業で試作品作製に3Dプリンタを利用していた。冶具/特殊ツールの作製には67.8%の企業が3Dプリンタを使用。一方、金型/砂型や最終製品/部品の作製に3Dプリンタを使用している割合はおよそ半数で、まだ少ないことが判明した。
図1:3Dプリンタを使用している人の業種(出典︓IDC Japan)
国内製造業において今後、3Dプリンタが開発/設計プロセスと製造プロセスを変革するかどうかについては、およそ5割のユーザーが「変革する」と回答。一方、「物流プロセスを変革する」と回答したユーザーは28.1%にとどまった。また、製造業における3Dプリンタの普及については、5割以上のユーザーが「緩やかに普及する」と考えており、「急速に普及する」と考えているユーザーは3割ほどだった。
図2:3Dプリンタは国内製造業の開発/設計プロセス、製造プロセス、物流プロセスを変革すると思うか(出典︓IDC Japan)
図3:2~3年後に国内の製造業に3Dプリンタが普及すると思うか(出典︓IDC Japan)
IDC Japanによると、3Dプリンタに関する情報はメーカーのウェブサイトと展示会で得られる割合が高く、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)や口コミで得られる割合は低い。こうした情報源からは造形材料についての情報は得やすい反面、3Dプリンタの価格や造形のためのノウハウの情報はあまり得られていなかったという。