アクセンチュアは、「テクノロジービジョン2018」を発表した。今後3年間でビジネスに創造的破壊をもたらす重要なテクノロジのトレンドを予測している。
年次調査の最新レポートとなる「テクノロジービジョン2018」では、「インテリジェント・エンタープライズの具現:自社を『再定義』する」というテーマで、再定義に欠かせない5つの技術トレンドを選定している。
アクセンチュアは、今回のテーマを策定した背景として、人工知能(AI)、高度なアナリティクス、クラウドなどのテクノロジの急速な進化により、企業は単に革新的な製品やサービスを生み出すだけでなく、人々の働き方や暮らしを変えることさえも可能になることを挙げ、企業の顧客やビジネスパートナーとの関係性が変わりつつあることに注目している。
同リポートの調査でも、世界6300人以上の企業や組織の上級役職者およびIT担当役員の5分の4以上(84%)が、「自社はテクノロジを使って人々の暮らしに入り込みつつある」と回答しているという。
「テクノロジービジョン2018」の5つのトレンド
5つの技術トレンドには、「AIを『市民』に(Citizen AI)」「拡張現実(Extended Reality)」「データの正確性(Data Veracity)」「摩擦ゼロ・ビジネス(Frictionless Business)」「インターネット・オブ・シンキング(Internet of Thinking)」が挙げられた。
Citizen AIでは、AIの潜在能力を引き出そうとする企業がその影響を認識し、AIが自社の象徴として行動できるように「育てる」ことが必要だとしている。Extended Realityでは、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)などの技術によって、人々とのつながり、情報や経験を得る際の距離を取り除くことで、人々の暮らしや働き方を変えようとしているとしている。
Data Veracityでは、正確性を欠くデータや恣意(しい)的に操作されたデータ、偏ったデータによって、間違った知見を持ち、偏った判断を下すリスクに対応するには、正確性を最大限に高め、恣意的なデータ操作につながる危険性を最小限に抑えるという二重の対策が必要だとした。Frictionless Businessでは、従来の経営システムが大規模なパートナーシップに対応するようにはできていないとし、社会との融合を強め、テクノロジの力を最大限に発揮するために、企業はまず自らを再構築しなければならないと指摘している。
Internet of Thinkingでは、ロボティクスやAI、没入型体験などを自社のバリューチェーンに組み込んでいくためには、従業員のスキルや組織体制を強化するだけでなく、現在のテクノロジ基盤を刷新する必要があるとした。