米司法省は米国時間3月14日、信用情報会社大手Equifaxの前最高情報責任者(CIO)の男をインサイダー取引の容疑で同13日に訴追したと発表した。
訴状によると、訴追されたのはEquifaxのUS Information Solutionsの前CIOで、ジョージア州アトランタ在住のJun Ying容疑者(45歳)。Ying容疑者は、2017年に発生したEquifaxでの約1億4550万人の個人情報流出事件に関連して、ストックオプションとして保有していたEquifax株6815株を売却し、48万ドルの収益を不正に得たとされる。
Equifaxの事件では、ハッキングによる不正アクセスから約1億4550万人分の氏名や社会保障番号、生年月日などの個人情報が漏えいしたとされ、この事実が公表された2017年9月7日以降、同社の株価は大幅に下落した。
米司法省によれば、Ying容疑者は2017年8月25日にハッキングに気付いて、同僚に「悪い知らせだ」と告げたとされる。さらに、過去の情報流出事件から当事者企業の株価が下落する恐れがあることを知り、同28日にUBS Financial Servicesで保有していたストックオプションを全て行使し、Equifax株を95万ドル以上で売却したという。
米連邦捜査局(FBI)特別顧問のDavid J. LeValley氏は、Ying容疑者の行為が米国証券市場に対する国民の信頼を失墜させるものだと指摘。FBIと米証券取引委員会は、企業の内部者も投資家と同様にルールによるガバナンスを適用すべきだと強く主張し、「順守されなければ、深刻な結果をもたらす」と警鐘を鳴らしている。
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