マーケティングがセールスのようにデータを得られる--CiscoはなぜDomoを採用したのか
基調講演に顧客として登場したCiscoのデジタルマーケティング担当バイスプレジデント、Puthussery氏はDomo導入の狙いとして、「マーケティングをビジネスのようにしたかった」と述べる。マーケティングはクリエイティブで芸術的なビジネスだが、顧客からは遠く、数字が出にくい。顧客に近づき、顧客を知り、数字を把握できたらーーそんな思いから、1年半ほど前にDomoの導入を開始した。
Domoを選んだ理由については、「データのビジュアル化が素晴らしい」「他のシステムとの接続」の2つを挙げる。
その後、Domoチームとの共同作業を通じて、データの土台作り、対象オーディエンスに応じたカスタマイズビューの作成などを進めた。Domoは「マーケティング活動全てで使っている」とPuthussery氏。ファネル(見込み客の絞り込み)、全てのチャネルとタッチポイント、セグメント化されたオーディエンスを対象とし、タグ付けしたコンテンツのパフォーマンスも測定しているという。
導入から1年強、狙い通りのメリットが得られているようだ。信頼できる情報源を1つにして、さまざまなビューを加えることでそれぞれが必要な情報を正確に得られる。「購入に至る前に、かなりのことが分かるようになった」とPuthussery氏。「ビジネスがどこからきており、どこで顧客を失っているのかが分かる」ともいい、設定しておくことで早期段階でアラートを受けることで、損失を防ぐこともできるという。
Puthussery氏によると、約2000人というCiscoのマーケティングチームのうち、1200人がDomoを使っているとのこと。毎日Domoにアクセスするという人も200人近くという。Ciscoの最高マーケティング責任者(CMO)は2017年秋にマーケティングにおけるDomoの利用を義務付けしたが、義務付けの前でも900人のユーザーがいたとのことだ。「使っていて楽しいのでボトムアップで広がり、その後トップが認めてトップダウンになった」とPuthussery氏は語る。
今後は利用できるデータが多く複雑にならないように、もっとシンプルに使う方法を考えたいという。またMR. ROBOTOによる自動化など、新しい技術にも期待を見せた。
Cisco Systemsでデジタルマーケティング担当バイスプレジデントを務めるJoseph Puthussery氏(左)とDomoのJosh James氏(右)