CiscoはなぜDomoを採用したのか--「ビジネスのためのOS」を語るCEO - (page 2)

末岡洋子

2018-03-20 07:30

マーケティングがセールスのようにデータを得られる--CiscoはなぜDomoを採用したのか

 基調講演に顧客として登場したCiscoのデジタルマーケティング担当バイスプレジデント、Puthussery氏はDomo導入の狙いとして、「マーケティングをビジネスのようにしたかった」と述べる。マーケティングはクリエイティブで芸術的なビジネスだが、顧客からは遠く、数字が出にくい。顧客に近づき、顧客を知り、数字を把握できたらーーそんな思いから、1年半ほど前にDomoの導入を開始した。

 Domoを選んだ理由については、「データのビジュアル化が素晴らしい」「他のシステムとの接続」の2つを挙げる。

 その後、Domoチームとの共同作業を通じて、データの土台作り、対象オーディエンスに応じたカスタマイズビューの作成などを進めた。Domoは「マーケティング活動全てで使っている」とPuthussery氏。ファネル(見込み客の絞り込み)、全てのチャネルとタッチポイント、セグメント化されたオーディエンスを対象とし、タグ付けしたコンテンツのパフォーマンスも測定しているという。

 導入から1年強、狙い通りのメリットが得られているようだ。信頼できる情報源を1つにして、さまざまなビューを加えることでそれぞれが必要な情報を正確に得られる。「購入に至る前に、かなりのことが分かるようになった」とPuthussery氏。「ビジネスがどこからきており、どこで顧客を失っているのかが分かる」ともいい、設定しておくことで早期段階でアラートを受けることで、損失を防ぐこともできるという。

 Puthussery氏によると、約2000人というCiscoのマーケティングチームのうち、1200人がDomoを使っているとのこと。毎日Domoにアクセスするという人も200人近くという。Ciscoの最高マーケティング責任者(CMO)は2017年秋にマーケティングにおけるDomoの利用を義務付けしたが、義務付けの前でも900人のユーザーがいたとのことだ。「使っていて楽しいのでボトムアップで広がり、その後トップが認めてトップダウンになった」とPuthussery氏は語る。

 今後は利用できるデータが多く複雑にならないように、もっとシンプルに使う方法を考えたいという。またMR. ROBOTOによる自動化など、新しい技術にも期待を見せた。


Cisco Systemsでデジタルマーケティング担当バイスプレジデントを務めるJoseph Puthussery氏(左)とDomoのJosh James氏(右)

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    Google Chrome Enterprise が実現するゼロトラスト セキュリティの最新実情

  2. ビジネスアプリケーション

    ITSMに取り組むすべての人へ、概要からツールによる実践まで解説、「ITSMクイックスタートガイド」

  3. ビジネスアプリケーション

    業務マニュアル作成の課題を一気に解決へ─AIが実現する確認と修正だけで完了する新たなアプローチ

  4. ビジネスアプリケーション

    ITSMの手法を組織全体に拡張、エンタープライズサービス管理(ESM)がもたらすメリット

  5. セキュリティ

    身元確認は撮影方式からICチップ読取方式へ、公的個人認証(JPKI)が必要な理由とは

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]