コンテナやサーバレスコンピューティングサービスの採用が四半期で数百%単位の伸びを示している。さらに、クラウドユーザーの間で人工知能(AI)や機械学習(ML)に関するアプリが急速に増えている。
これは、Cloudabilityが2017年における同社顧客の採用パターンを調査し、最近リリースしたレポートで明らかにされている内容だ。Cloudabilityは「Amazon Web Services」(AWS)を利用している顧客を中心に、1500社以上からのデータを分析した。分析の対象となった2017年の企業支出は25億ドル(約2640億円)を上回っている。またこの分析に用いられたデータセットには、75億を超えるデータポイントや、30億時間を超えるCPU時間が含まれている。
提供:Joe McKendrick
AWSユーザーの間でコンテナの採用が伸びており、2017年第4四半期で246%増、第3四半期では206%増となっている。また、コンテナのオーケストレーションソリューションとして「Kubernetes」の採用が伸びており、そのシェアは2017年第4四半期に約70%を占めた。なお、第1四半期でのKubernetesのシェアは約45%だった。「Apache Mesos」は第2位となっているものの、第1四半期の約45%から徐々にシェアを落としている。
クラウドユーザーの間では、サーバレスコンピューティングの採用も大きく伸びてきている。レポートの著者らは、2017年の第4四半期において調査対象の環境ではサーバレスの採用が667%増加したと記している。これは第3四半期の321%という伸びよりもさらに高い値だ。また著者らは、「サーバレスによってインフラの管理が不要となるため、企業にとって魅力的なものとなり続ける。クラウドへの移行の増加と、クラウドネイティブなアーキテクチャの増加とともに、サーバレスの採用ペースも加速していくと考えられる」とも記している。
著者らはまた、人々がクラウドの配備に向かう背景を調査するために、クラウドにおけるCPU消費の内容にも目を向けている。そして、多くが汎用ワークロードで占められている(利用時間の43%)点から、ほとんどの企業は多くの場合に、標準インスタンスとしてプロビジョニングされる開発ワークロードやテストワークロードを手始めにしてクラウドへの移行を実施しているとしている。
さらに、アプリケーションのパフォーマンス要求が高まるとともに、CPU時間の消費も前年よりも85%増加しており、「人工知能(AI)と機械学習(ML)に関するアプリケーションの最近の増加に目を向けると、このトレンドは続いていくと考えられる」と記している。
また調査結果からは、AIやML向けのリソース集中型サービスの採用を示す可能性が見て取れる。同レポートは、「高I/Oインスタンスの成長率を見ると、顧客がクラウド上での本番規模のデータベース配備を進めていると判断できる。さらに高GPUインスタンスの採用も始まっている。これは多くの場合、AIやMLの学習プロセスの採用を示すものだ」と記し、2018年に成長するトレンドになるだろうとしている。
この調査から、クラウドを利用する法人顧客が投資あたりに得られるリソース量も増加していることが読み取れる。同レポートは「投資が35%増加しているのに対し、CPU時間は84%増加している。企業がクラウドの採用を推し進めるなか、リザーブドインスタンスやスポットインスタンスなどの利用によって、コストを削減できるようになる」と記している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。