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量子コンピュータでユーザーイベント--IBMが女性限定で

阿久津良和

2018-04-09 07:30

 Bluemix Girls Groupは3月19日、日本IBMで女性に限定したコミュニティイベント「クラウドで量子コンピュータを動かしてみよう!」を開催した。「IBM Q」を対象に量子コンピュータを操作する「IBM Q Experience」を使用し、参加者は量子ゲート(量子ビットに作用する演算子)の制御をハンズオン形式で体験した。


 講師を務めたwalker氏はハンズオン開催前に量子コンピュータの概要説明に取りかかったが、女性限定となる聴講者を和ませるため、Bill Gates氏の「量子コンピュータは理解できない」という発言を引用して、「分からなくても大丈夫」と笑いを誘った。そもそも量子コンピュータは、量子力学の性質を利用して計算するコンピュータを指すものの、「内部的な処理制御に用いているため、計算自体を行っている訳ではない」(walker氏)。

 量子コンピュータの文脈では、現在のコンピュータを「古典コンピュータ」と称するが、「(両者には)データ(情報)の保持と操作が異なる」(walker氏)という。また、現在のように量子コンピュータに注目が集まる理由として、素因数分解の例を用いた。一般的な暗号鍵は素数の乗算を用いるが、古典コンピュータでは解読に数年以上の月日を必要とする。「(アイデアレベルと前置きしながら)量子コンピュータでは解決可能」(walker氏)だと可能性を示した。

IBM Q
IBM Q

 量子コンピュータは1980年にPaul Benioff氏の論文で実現可能だということが世界に広まり、1985年にDavid Deutsch氏が量子チューリングマシンを提唱。そこから低迷期が続くものの、1994年にPeter Shor氏の素因数分解のアルゴリズムを提唱したあたりから、復活傾向を見せてきた。1996年にはLov Grover氏による探索アルゴリズム、1998年には西森秀稔氏による量子アニーリングと続き、2007年にはD-waveが量子アニーリングマシンを発表。現在に至る。「今は『モテ期』を迎えた。今後も量子コンピュータに参加する企業は増え、今後3年前後は群雄割拠の様相を見せる」(walker氏)という。

 量子力学は、「ミクロの世界で起こる現象を定式化した物理学の理論」だが、量子力学の数学的定式化という文脈で見ると、量子は波であると同時に物質である「粒子と波動の二重性」や、量子状態はあらゆる可能性が同時に存在する「重ね合わせの原理」、観測した瞬間に量子状態が1つに決まる「波束の収縮」が発生する。

 これを古典コンピューターと量子コンピュータに当てはめると、前者は「0」「1」という2種類のビットですべてを表現してきた。後者のデータ最小単位となる量子ビットは「0であり1である」状態が存在する(波束の収縮)。それでは実際のビジネスに利用できないため、「必要な結果を取り出すためのアルゴリズムが重要」(walker氏)になるという。

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