NTTとNTTコミュニケーションズ、NTTドコモ、NTTぷららは4月23日、海賊版サイトへの接続遮断(ブロッキング)を実施する方針を発表した。準備が整い次第実施するとし、ブロッキングを要請した政府に対して「可及的速やかに法制度を整備していただきたい」と意見を表明した。
海賊版サイトのブロッキングは、政府の知的財産戦略本部・犯罪対策閣僚会議が13日に「緊急措置」として決定、インターネットサービスプロバイダー(ISP)に実施を要請していた。NTTグループは、同会議が悪質な海賊版サイトだとして名指しした「漫画村」「Anitube」「MioMio」へのブロッキングを対象に、「サイトブロッキングに関する法制度が整備されるまでの短期的な緊急措置」として実施すると説明している。
海賊版サイトのブロッキングは、著作権侵害などに苦しむコンテンツ業界側が強く要請していたのに対し、通信業界や法曹界などからは日本国憲法21条で保障された「通信の秘密」を侵害しかねない行為として反発している。
政府の会議は、既に実施されている児童ポルノサイトに対するブロッキングでの「緊急措置」の解釈をもとに、電気通信事業法改正などの法制度の整備を今後進めるとした上で、ブロッキングの先行実施をISPに要請。一方、反対側は、ブロッキングを行う諸外国の全てが長年にわたる検討や法制度の整備を踏まえて実施しているとし、政府側のプロセス自体も問題視していた。
23日午後3時半現在で、NTTグループの3社以外の主要ISPは、ブロッキングに関する方針を発表していない。