NECと千葉大学は4月25日、日本老年学的評価研究(JAGES)プロジェクトと連携し、人工知能(AI)技術を活用した保健・医療・介護における重症化・重度化の防止に向けた共同研究を開始したと発表した。
共同研究では、自治体などが保有するレセプト(診療報酬や介護給付費の明細書)や、特定健康診査の結果などのデータを分析する。千葉大学予防医学センターは予防医学による健診・医療・介護のデータ分析の知見、NECはAI技術群「NEC the WISE」の一つである異種混合学習技術を提供。健康長寿社会作りに寄与する要因の抽出手法の確立とその有効性を検証する。また、NECグループの匿名加工製品「NEC データ匿名化ソリューション」を用い、個人情報保護法や行政機関個人情報保護法等に準拠した安全なデータ活用手法も検証する。
昨今、国内高齢者人口の増加に伴う医療・介護の給付費増大が深刻化している。また、地域住民への直接的な支援では個人の健康意識の有無に左右されてしまうことから、地域住民全体の環境要因に着目した予防施策が注目を集めているという。
共同研究により、NECと千葉大学はJAGESと連携し、各種レセプトデータ等の分析による認知症予防の予測や財政効果測定を行うなど、地域の政策的な健康増進および医療・介護の給付費適正化などに向けた取り組みに貢献していくとしている。