Googleは米国時間3月5日、新しい「Cloud Healthcare API」、「医療保険の携行性と責任に関する法律」(HIPAA)に準拠した製品の拡充、そして新たな提携関係など、ヘルスケア業界のクラウド移行を支援する取り組みの概要を発表した。
今後数年の間、クラウドコンピューティング、人工知能(AI)、IoT(モノのインターネット)などの技術が、ヘルスケア分野に大きな影響を与える見通しだ。同分野はすでに、米国経済の6分の1以上を占めている。Google Cloudのヘルスケア担当バイスプレジデントであるGregory J. Moore氏によると、Googleのヘルスケア分野における目標は、「当社の全社的な使命をまさに反映しており、世界の情報を整理し、広く役立つかたちで利用可能にすること」だという。
Googleはそれを念頭に、Cloud Healthcare APIを最近発表した。これにより、ヘルスケア分野の組織が多様なデータタイプを管理し、分析や機械学習で利用できるように支援する。Googleは現在、早期アクセス版の提供を行っており、今後1年間により多くの顧客と提携企業に展開する計画だ。
またGoogleは、HIPAA準拠製品を拡大し、「Google App Engine」と「Cloud Machine Learning Engine」が対応したことを発表した。これでHIPAA要件に準拠する「Google Cloud Platform」(GCP)サービスの数は20件を超える。
同社は最近、サプライチェーン企業であるFlexとの提携関係も発表している。両社はヘルスケア分野向けに、機械学習およびAI機能を備えた分析ダッシュボードを提供するために協力する。具体的には、Flexの新しいマネージドサービスプラットフォーム「BrightInsight」を、GCP上で運用する。CEマークを取得した医療機器や、FDA規制対象の医療機器にも対応するように設計されているという。
そのほかにも、多数のヘルスケア分野の企業がGoogleと提携しており、GCPを利用して自社の高精度医療(Precision Medicine)プラットフォームでゲノミクス遠隔サービスの提供に取り組むKanteron Systemsなどが含まれる。さらに、HealthcastとCitrix Systemsも、Googleとの協業の一環として「Chrome OS」を利用し、データアクセスの改善に取り組む。
Moore氏が紹介している大型の顧客には、M*Modalやチリ保健省、Cleveland Clinicなどもある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。