米Avayaは4月26日、シンガポールでアジア太平洋(APAC)地域の顧客やパートナーを対象にしたプライベートコンファレンス「Experience Avaya APAC」を開催した。毎年、主要各都市で開催している同コンファレンスは、同社の最新技術やそのデモンストレーションなどを紹介している。
今回は、1月に発表した人工知能(AI)ソリューションである「Avaya Ava」を活用したコンタクトセンターソリューション、2017年6月に米国でリリースしたAndroidベースのデバイス「Avaya Vantage」などが展示された。
会場となったSt Regis Hotels Singapore(の会場受付)。日本からは約30人のパートナーや関係者が参加した
今回コンファレンスには、困難な時期を乗り越えた「新生Avayaの事業戦略とスタンスを明確にする」という意味合いもあった。
Avayaは2017年1月に日本の民事再生法に相当する米連邦破産法第11章(チャプター11)を申請したが、同年11月に再建計画案の第2修正版が米ニューヨーク州南部地区連邦倒産裁判所で認可された。その後、2018年1月にはニューヨーク証券取引所に上場し、3億ドルのキャッシュフローを獲得している。
Avaya プレジデント兼CEO Jim Chirico氏
「APAC地域でのチャプター11の影響は限定的だったが、証券取引所に上場したことで顧客からも『安心した』との声をいただいた」(Avaya関係者)という。
基調講演に登壇した同社プレジデント兼最高経営責任者(CEO)であるJim Chirico氏は、「チャプター11はインパクトが大きな出来事だったが、技術開発と成長分野への投資は継続しており、イノベーションは揺るぎない。(困難な時期も)われわれを信用してくれたパートナー、ビジネスを継続し、ご支援をくださった顧客に感謝を申し上げたい」と、参加者に対して感謝を述べた。
Avayaは技術カンパニー
かねてからAvayaはコンタクトセンター(CC)やユニファイドコミュニケーション(UC)分野のソリューションを中心にビジネスを展開してきた。Chiricoは「CCとUCに注力していく姿勢は変わらない」としつつも、「コミュニケーションに関連するすべての分野において適切な技術を提供し、顧客のデジタルトランスフォーメーションを支援する」と強調する。
Avayaは2017年10月開催された「GITEX Technology Week 2017(GITEX)」で新技術に対する投資と開発強化を明言し、これら技術を活用したソリューションやサービスをパートナーとともに提供していく姿勢を打ち出した。
「顧客を取り巻くコミュニケーション環境や産業構造は劇的に変化している。(中略)顧客が直面している課題を把握し、新技術を最適な形で適用させ、ニーズに沿ったソリューションを迅速に提供していくことがAvayaの役割だ。サプライチェーン全体で『デジタルエコシステム』を構築し、(顧客企業の顧客である)顧客体験の向上を実現させていく」(Chirico氏)