ファイルメーカーは5月16日、データベースソフトの最新版「FileMaker 17」をリリースした。カスタムアプリの作成を迅速化する新機能が追加されたほか、モバイル対応や管理機能の強化も図られている。
FileMakerは、モバイルやクラウド、オンプレミス環境で動作するカスタムアプリを作成、展開するための統合型プラットフォーム。デスクトップ向けの「FileMaker Pro」、モバイル向けの「FileMaker Go」、サーバ向けの「FileMaker Server」、クラウド向けの「FileMaker Cloud」がある。現在、全世界で100万以上のユーザーが利用しており、15の言語に対応している。
FileMaker Proの最新版では、カスタムアプリの作成を迅速化する新機能「Starter App」が搭載された。「コンテンツ管理」「タスク」「会議」「目標」「資産」「連絡先」という6種類のアプリから1つを選び、それをベースに機能を追加していくだけで、要件に応じたカスタムアプリを素早く作成することができる。
また、ポータル機能が強化され、共通の設計パターンを作成できるようになった。これによって、自己結合用のリレーションシップや追加のスクリプトを作成することなく、マスター/詳細関係のレイアウトを設計することができるという。
レイアウトモードも一新され、インスペクタやフィールドタブなどのレイアウトツールが見つけやすくなったほか、グループ化されたオブジェクトフィールドの選択や電子メールへの複数ファイルの添付などが可能になった。
なお、FileMaker Proは今回のバージョンから「FileMaker Pro Advanced」に一本化された。今後デスクトップ向けはAdvanced版のみの提供となる。

Starter Appの選択画面

マスター/詳細レイアウトのイメージ画面
モバイル対応では、モバイルアプリからiPhone/iPadのセンサ情報を取得できるようになった。バッテリや位置、傾き、速度、加速度、磁気、歩数、気圧といった各種データと連動したアプリを作成できる。
FileMaker Goがローカル通知に対応した。アプリが実行されていない、あるいはバックグラウンドで実行されている場合であっても、iPad/iPhoneにローカル通知を表示可能となる。その他にも、オートコンプリートやキーボードショートカット、ドラッグ&ドロップ(iOS 11.2搭載のiPadのみ)の対応が強化されている。
FileMaker Serverでは、管理者コンソールのデザインを一新。軽量化と合理化されたユーザーインターフェースで、カスタムアプリの管理が容易になったとしている。FileMaker Serverを外部システムから操作する「Admin API」も試用版(2019年9月27日まで)として利用できる。
一方、外部システムとのデータ連携を可能にする「Data API」はトライアル機能ではなくなった。機能強化によって、新たにスクリプト実行やオブジェクトフィールドへのファイルアップロードに対応し、API形式の標準化が図られているという。
なお、FileMaker 17の新機能をサポートするFileMaker Cloudは今後数週間のうちのリリースを予定している。
FileMaker Pro 17 Advancedの個人向けシングルライセンスの価格は、フルバージョン版が5万7600円(税別、以下同)、アップグレード版が2万2800円、アカデミック版が3万4560円。ボリュームライセンスは、5ユーザーで年間9万6000円、10ユーザーで同18万円、25ユーザーで同39万円、50ユーザーで同66万円となっている。