NECは6月11日、心拍変動データなどから感情を可視化する「NEC 感情分析ソリューション」を発表した。専用アプリケーション上に、「興奮・喜び」「ストレス・イライラ」「憂鬱・疲労」「穏やか・リラックス」などの現在の感情や一日の感情履歴などを表示できる。同社では、今後3年間で90億円の販売を目指す
同ソリューションは、NECと名古屋市立大学が共同開発を進めている感情分析が可能な感情認識技術や、クラウドサービス、TDKのウェラブルデバイス「Silmee W20」などで構成されている。
「Silmee W20」は、対象者の生体情報をリアルタイムに収集・蓄積できる。心拍変動データの測定だけでなく、会話量測定・紫外線量測定・皮膚温度測定、食事時間検出、ボタン操作による第三者への緊急連絡などの機能を搭載。バッテリで2週間の連続使用ができる。
「NEC 感情分析ソリューション」概要
専用アプリケーションの画面イメージ
喜怒哀楽の感情を可視化する技術は、名古屋市立大学大学院の早野順一郎教授が研究を進めている健康科学および医学における生体信号のゆらぎ解析の知見に基づいて開発された。収集・蓄積した心拍変動データなどから対象者の交換神経と副交感神経のバランスを分析することで数値化する。
NECでは、活用例として、人材不足が課題となる業種での従業員の体調管理や、生産ラインでの感情起因の事故防止や生産性向上の支援を挙げている。また、交通・物流業における就業中のドライバーの疲労検出や安全運転の支援や、離職率の高い業種における従業員の感情負荷・ストレスの検出や予防にも役立てられるとしている利用価格は、対象者1人あたり月額1000円から(ウェアラブル端末費、初期費は除く)。