コインマイナーに10県警が注意喚起、8県警が「違法性」にも言及

ZDNET Japan Staff

2018-06-21 13:32

 警察庁が6月14日、ウェブサイトの閲覧者など明示することなく仮想通貨発掘ツール(コインマイナー)を設置した場合に、「犯罪に当たる可能性がある」との見解を発表した。21日午前の段階で、少なくとも10の県警がコインマイナーに対する注意喚起を行っており、うち8つの県警が警察庁と同様の見解を示していることが分かった。

警察庁の見解
警察庁の見解

 広報サイトなどでコインマイナーへの注意を呼び掛けているのは、宮城、茨城、栃木、埼玉、千葉、神奈川、新潟、愛知、滋賀、福岡の10の県警。埼玉と神奈川を除く8つの県警では、ウェブサイト管理者などに対して「マイニングツールを設置していることを閲覧者に明示せずに同ツールを設置した場合、犯罪になる可能性があります」と、警察庁とほぼ同様の文章を掲載した。

 埼玉県警と神奈川県警は、注意喚起の内容をウェブサイト閲覧時にとどめている。コインマイナーが設置されているケースがあるとし、「意図しない状況で使用するパソコンの動作が遅くなるなどの事象が発生した場合は、ブラウザ(閲覧中のウェブサイト画面)を閉じることで事象が収まる時があります」と、対処方法を記載する。

 国内では、2017年から全国の警察による捜査でウェブサイト管理者など10人以上が摘発された。しかし摘発をめぐっては、ウェブサイト管理者が自らコインマイナーを設置するケースについて、その「違法性」の根拠があいまいだとする異論が、サイバーセキュリティや法律などの識者から噴出。警察庁は、「閲覧者にコインマイナーの設置を明示していない」ケースを、違法にあたる可能性があると見解を示した形となっている。

 ただ、コインマイナーへの注意喚起を行っていない33の都道府県の警察では、広報ページやソーシャルメディアなどを通じた情報発信に大きな差があり、中には広報ページの最終更新が2017年以前というケースや、ソーシャルメディアを利用していないケースも散見される。今回の警察庁による見解が各地の警察でどの程度考慮されているのかは、不透明となっている。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    ITR調査結果から導くDX浸透・定着化-“9割の国内企業がDX推進中も成果が出ているのはごく一部”

  2. セキュリティ

    最新調査が示すセキュリティ対策の「盲点」とは?|ゼロトラスト、生成AI、サプライチェーンリスクの実態

  3. セキュリティ

    セキュアな業務環境を実現する新標準「Chrome Enterprise Premium」活用ガイド

  4. セキュリティ

    失敗しない「脱PPAP」とは?主要ソリューション5つを徹底比較してわかった勘所

  5. ビジネスアプリケーション

    調査結果が示す「生成 AI 」活用によるソフトウェア開発の現状、ツール選定のポイントも解説

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]