山谷剛史の「中国ビジネス四方山話」

中国で普及するシェアバッテリは儲かるのか

山谷剛史

2018-06-26 07:30

 シェアサイクルに続き中国の都市部の住民に身近なシェアサービスといえば、スマートフォン用のモバイルバッテリを時間レンタルできる「シェアバッテリ」だろう。2016年末に登場したシェアバッテリは、中国語ではシェアを意味する「共享」とモバイルバッテリの「充電宝」を合わせて「共享充電宝」と呼ぶ。

 今や食堂以上のレストランに入ると高確率で見ることができ、モールの中の店舗ではどこかしらがたいてい扱うようになった。シェアバッテリがいくつか入ったシェアバッテリステーションがあって、そこに表記されたQRコードをスマートフォンで読み取るとシェアバッテリが出てきて、利用後に同じ会社のステーションに返せば終了だ。なお、返却するステーションは異なるところでも空きさえあればいい。

 筆者の個人的経験でいえば、たとえ出張続きで異なる都市を巡る日々でも、入ったレストランのレジ横にステーションがあり、食事をする間利用してバッテリ残量を増やしてシェアバッテリを活用する。またモールやデパートにはステーションがあるジュースバーなどが複数店あると予想して入り、散策時にシェアバッテリを借りてモール内を歩き回り、どこか別のステーションで返す。あるいは複数のモールをまたぐような移動であれば、最初のモールでステーションを見つけて借りて、次のモールで返す。

 もちろんシェアバッテリのアプリには、どこにあるかプロットされているマップ機能があるが、それを使って探すまでもなく見つかる。シェアサイクルもそうだが、歩いていればすぐに見つかると思うと、積極的に使いたくなる。おかげで筆者は、自分用のモバイルバッテリを持たなくなった。

 シェアバッテリ運営企業は、メジャーどころでは「街電」「小電」「怪獣充電」「来電」などおよそ10数社程度ある(製造はFOXCONNだったり、ANKERだったり、BYDだったり、自社生産だったりと様々だ)。ブランドが乱立しているわけだが、各ブランドに対してアプリを入れる必要はない。本体にはアントフィナンシャルのアリペイ(支付宝)やテンセントのウィーチャットペイ(微信支付)用のQRコードがあり、これを読み込むとサービス用のミニアプリを(4Gなので迅速に)ダウンロードし起動する。

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