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セキュリティ担当者がキャリアを積める環境作りを--人材不足への提言

國谷武史 (編集部)

2018-07-20 06:00

 国内ではITの人材不足が叫ばれ、中でも企業の経営課題にサイバーセキュリティが取り上げられるようになったことから、セキュリティ人材の課題がクローズアップされる機会が少なくない。現在のセキュリティ担当者や企業はこの状況にどう対処すればいいのだろうか。マクニカネットワークスが開催したセミナー「MACNICA NETWORKS DAY 2018」では、フィナンシャルシステムプラン リサーチ&アドバイザリー アナリスト パートナーの石橋正彦氏が解説した。

セキュリティ人材を取り巻く“真実”

「MACNICA NETWORKS DAY 2018」で講演したフィナンシャルシステムプラン リサーチ&アドバイザリー アナリスト パートナーの石橋正彦氏
「MACNICA NETWORKS DAY 2018」で講演したフィナンシャルシステムプラン リサーチ&アドバイザリー アナリスト パートナーの石橋正彦氏

 石橋氏は、さまざまなIT企業でシステム開発を手掛け、ガートナー ジャパンではセキュリティ分野のアナリストとして活躍。現在はユーザー企業の立場からIT部門やIT人材に関するアドバイザリーを担当し、ITを提供する側と利用する側の双方のキャリアを持つユニークな立場でもある。

 セキュリティ人材に関する課題として石橋氏は、企業や組織が専門性の高いセキュリティ人材の確保や育成に苦労していること、そして、現在のセキュリティ担当者が将来のキャリアに不安を抱えていることを挙げる。同氏のもとには、セキュリティ人材の悩みごととして「がんばれば育成できるのか?」「海外では専門家として評価されるが、日本ではどうか?」といった相談が寄せられているという。

 まずIT人材全体の将来性を占うと、国内では2019年にIT人材の入職率がピークに達し、2020年以降は退職率が上回るため、産業人口としては減少していく。ただし、これは人月ベースの見立てであり、むしろ高度なITスキルを持つ人材はこれまで以上に需要が高まるという。

 特に、他のIT領域に比べて歴史の浅いセキュリティ分野は経験者自体の数が少なく、その傾向が強まると石橋氏は見ている。今後はIT人材の平均年齢が上昇し、それに応じて上位のポストに就く割合が高まっていくが、現在のセキュリティ担当者に関しては人数が少ないだけに、10年後(2028年ごろ)においても上位のポストに必要とされる人材数が足りなくなる可能性がある。

 理想的なセキュリティ人材のキャリアパスは、「ジュニア」から「(マルウェア解析などの)アナリスト」「(インシデント対応などの)チームリーダー」「(実務経験の豊富な)管理者」「(ビジネスでも実績のある)役員」という。

 しかし、国内では人材不足から担当者は1人か、多くても数人というのが現状。この理想を実現している組織は皆無であり、「情報セキュリティ委員会」といった名称の会議体などで複数の部門が参加していても、実務は1人(もしくは数人)の担当者というのが現状だという。

 一方、海外では人材がセキュリティだけを担当するケースは少なく、ヘルプデスクやネットワーク管理者、プロジェクトマネージャーなどさまざまな分野の人材がチームとして協力しながら、組織全体のセキュリティ対策に対応する。それぞれの分野におけるセキュリティの職務も定義されており、それが給与にも反映される仕組みとなっている。

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