セキュリティの要の「橋渡し人材」--経営と現場をつなぐ2つのタイプとは?

國谷武史 (編集部) 2017年03月23日 07時00分

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 経済産業省が2016年6月に公表した「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」によると、セキュリティ人材は2016年時点で約13万2000人が不足し、2020年には19万3000人に拡大すると予想されている。中でもユーザー企業の半数近くが、「部署横断、全体的な情報セキュリティ対策の統括者」や「部署内の情報セキュリティ管理者」の不足を挙げている状況だ。

 情報セキュリティの統括者や管理者は、対策現場の責任者であると同時に、対策について経営層とコミュニケーションをする「橋渡し役」といえる立場だ。現在では情報セキュリティが企業の経営課題の1つに位置付けられているが、経営層が必ずしもセキュリティに詳しいわけでない。一方で対策の現場は、サイバー攻撃など日々の脅威に対応していることから、経営層への報告や提案のためにリソースを確保しづらく、経営層と接する機会が少なければ、コミュニケーション自体も難しい。そこで橋渡し役となる人材が求められている。

 政府のサイバーセキュリティ戦略本部が2016年3月に取りまとめた「サイバーセキュリティ人材育成総合強化方針」の中では、この橋渡し人材層の育成が重点項目の1つに挙げられた。内閣サイバーセキュリティセンターが3月13日にパブリックコメントの募集を開始した「サイバーセキュリティ人材育成プログラム」(案)でも、企業がIT活用を進めるにあたって情報セキュリティの観点から橋渡し役となる人材の必要性に触れている。

 企業は、セキュリティを推進するために欠かせない橋渡し役の人材をどう確保、育成すればよいか――そのポイントについてBPOやITサービスを手掛ける大宣システムサービス(以下、dss) 執行役員 リサーチ&コンサルティング アナリストの石橋正彦氏に聞いた。

 石橋氏は、日本ユニバック(現日本ユニシス)やベリタスソフトウェア(現ベリタステクノロジーズ)、ベリングポイント(現PwC)でシステム開発や技術サポート、セキュリティ監査などを担当。ガートナー ジャパンではITセキュリティとリスクマネジメント分野のリサーチディレクターを歴任し、現在はITシステムおよびIT人材全体の観点からコンサルティングやリサーチを行う。

 石橋氏は、まずIT人材全般について人数が不足している以上に、ITシステムに関する知識と実務経験を併せ持つ人材が足りないと指摘する。加えてセキュリティの橋渡し人材には、経営層と会話ができるコミュニケーション力も要求されるため、これらを踏まえて内部あるいは外部から候補者を選ぶことになると話す。


セキュリティの橋渡し役の人材は、現場と経営をつなぐ役割を担う(出典:dss)

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