「macOS」でアプリが正常に動作しなくなることはまれだが、実際に問題が発生することはある。macOSデスクトップ上でアプリが応答しなくなったら、ユーザーフレンドリーなGUIツールを使用して、問題を解決することが可能だ。Appleメニューに移動して、「強制終了」をクリックした後、対象のアプリを見つけて強制終了する。
ただし、この方法ではうまくいかないこともある。筆者の経験でも、強制終了機能では問題が解決しなかったことが何度かあった。その場合、ほとんどの人はおそらく再起動を実行するはずだ。
しかし、再起動をする必要はない。もっと良い方法があるからだ。macOSと「Linux」は非常に近しい関係にあるため、強力なコマンドラインを手軽に使うことができる。コマンドラインを使用すれば、それらのアプリを完全に掌握して、安全に閉じることが可能だ。
本記事では、2つのコマンドの使用方法を説明する。これら2つのコマンドを使いこなせるようになれば、どんなに頑固なアプリでも必ず強制終了できるようになるだろう。
それでは、具体的な手順の説明に移ろう。
強制終了したいアプリの名前を見つける
必要なもの:このタスクに必要なのは、macOSを搭載したノートブックかデスクトップだけである。どちらでも大丈夫だ。使用しているOSのバージョンも関係ない。とはいえ、macOSは、使用しているハードウェアでサポートされている最新バージョンにアップデートして、常に最新の状態に保っておくことをお薦めする。
前置きはこの辺にして、実際にアプリを強制終了する手順を見ていこう。
1. ターミナルアプリを開く
最初に、ドックの「Launchpad」アイコンをクリックし、ターミナルアプリのアイコンを見つけてクリックする。
2. 閉じたいアプリの名前を見つける
このステップは少し難しい。閉じたいアプリの名前を見つける必要がある。筆者はAppleの「メール」で問題に遭遇することがよくあるので、ここではメールアプリを例として使用する。
Linuxのコマンドでは大文字と小文字が区別されるので、ここで探しているのはmailではなく、Mailであることに注意しよう。これから、psとgrepという2つのLinuxコマンドを使用して、Mailという単語を含む実行中のアプリのすべてのインスタンスを表示させる。このタスクは、以下のコマンドで実行できる。
ps aux |grep Mail
興味がある人のために、コマンドの各要素を解説しておこう。
- ps -- 現在のプロセスのスナップショットを報告する
- aux -- ユーザーIDに関連付けられたすべてのプロセスを表示するpsのオプションであり、出力にデフォルト形式を使用する。
- | -- これは、最初のコマンドの出力を次のコマンドに送信するパイプだ。
- grep -- パターンに一致する行を出力する。
- Mail -- grepが検索するパターン。
コマンドの出力には、以下のような内容が含まれているはずだ。
そのリストを見ると、メールアプリが実際にMailという名前で実行されていることが分かった。この名前を使用して、メールアプリケーションを強制終了できる。アプリの名前を確認した方がいいのは、対象のアプリの名前が正しいことを確認できるだけでなく、実行させ続ける必要がある、よく似た名前のアプリを誤って強制終了してしまうのを防ぐこともできるからだ。
2. アプリケーションを強制終了する方法
ここで、killallコマンドを使用して、Appleのメールアプリケーションを強制終了する。具体的には、以下のコマンドを実行する。
killall Mail
これで、Appleのメールが強制的に閉じられたはずだ。この方法は、強制終了機能ではうまくいかない場合でも有効である。
注意事項
このプロセスは、通常の強制終了がうまく機能せず、強制終了したいアプリの名前が分かっている場合にのみ使用してほしい。実行中のものに対して、むやみにkillallコマンドを使用しないでほしい。OSに問題が発生したり、データが失われたりするおそれがあるからだ。killallを賢く使用すれば、再起動を実行することなく問題を解決する助けになってくれるだろう。
提供:June Wan/ZDNET
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。