NTTテクノクロスは7月18日、個人情報を匿名化して分析データなどに利用するための加工ツール製品「匿名加工情報作成ソフトウェア」を発表した。25日に発売する。
新製品は、NTT独自開発の「Pk-匿名化」と呼ぶ手法を実用化し、搭載する。Pk-匿名化は、データの一部を確率的に書き換えるランダム化の処理と、元の状態を推定する再構築の処理で、理論的に「k-匿名性」を満たし、元データの統計的性質をできるだけ保つ有用性の高いデータを作成する技術という。

Pk-匿名化のイメージ
また、k-匿名性は、匿名化されたデータの安全性を示す指標の1つといい、匿名化しデータから少なくとも「k人」以上にしか個人を識別できない(1分のk未満の確率でしか個人を識別できない)状態を指すとしている。
同ツールでは、k-匿名性を満たすノイズ(疑似データ)の付与およびデータの入れ替えによって、元データの特徴が保持された状態を損なわないよう匿名加工情報を作成する。操作は直感性を重視したというGUIで行う。38種類の加工技法から加工するデータに合わせて技法を選んで組み合わせ、匿名化する。

ツールの画面イメージ
加工済みの匿名加工した情報について、13種類の評価技法を使って匿名性と有用性のバランスをグラフで確認でき、これを参考にしながら加工技法の組み合わせを変えて、独自の加工ルールを設定できるようにもなっている。

評価画面のイメージ
値段は、5ユーザーの年間サブスクリプションライセンスが60万円から。有償のオプションで質疑応答サービスも提供する。