ゆうちょ銀行は、これまで行員が人手で行っていた投資信託の口座開設業務に、OCR(光学認識)およびRPA(ロボティックプロセスオートメーション)による業務自動化システムを導入した。9月から同システムの運用を開始し、業務時間を3分の1に短縮できることを確認したという。開発を手がけた富士通が発表した。
同行では、日々数百人分の投資信託の口座開設に対応。この業務では、口座開設申込書と顧客の口座情報を一元的に紐づけるため、既に開設済みの普通口座の情報やそこから把握できる顧客の個人情報を目視で比較し、修正や再確認を経た後に、投資信託システムへ手入力していた。
投資信託口座開設業務イメージ
開発されたシステムでは、申込書の高精度な読み取りに富士通グループのPFUのOCRソフトウェア「DynaEye」を活用している。申込書をスキャナで読み取るだけで、印字や行員が手書きした書類を高精度に認識し、文字のつぶれや未記入部分などに対してのみエラーを挙げるため、業務担当者は該当部分のみ目視して確認するだけでよく、作業効率化が図られる。
また、顧客情報のデータ登録から完了通知には、Kofax JapanのRPAパッケージ「Kapow」を活用している。OCRで読み取った情報と、普通口座の顧客情報を登録処理し、内容にミスがないかを突き合わせて確認し、その後、投資信託システムへの入力や、完了通知を行うところまでを一貫してRPAで実施する。これにより、正確性の向上や大幅な時間短縮が実現した。