Appleの最高経営責任者(CEO)であるTim Cook氏は、ユーザーのデータが本人の知らない間にオンラインで絶えず販売されていることを指摘し、消費者のプライバシーの権利の強化をあらためて求めた。
同氏は米国時間1月17日、Time誌の論説で、この「見えない」侵害に焦点を当てた。
「例えば、オンラインの小売業者から商品を買ったことがあるかもしれない。私たちのほとんどがしてきたことだろう」と同氏は記した。
「しかしその小売業者は、購入に関する情報を『データブローカー』に販売または譲渡したことをあなたには伝えない。データブローカーは、人々の情報を収集し、パッケージ化して、さらに別の購入者に販売するためだけにあるような企業だ」(Cook氏)
こうした活動は規制当局による「ほぼ抑制の利かないシャドーエコノミー」の領域にあるため、追跡が難しいとCook氏は指摘した。同氏は、米連邦取引委員会(FTC)がすべてのデータブローカーに対して登録を義務付け、消費者が自分の情報の売買などを追跡し、必要に応じて削除できるようにするよう提案した。
またCook氏は米議員に対し、「包括的な連邦プライバシー法案」を可決するよう求めた。同氏は10月にも、企業の個人データ収集に警鐘を鳴らしていた。
Appleは近年、特に2018年にFacebookのユーザーデータがCambridge Analyticaに不正に利用されていたスキャンダルが発覚して以来、消費者のプライバシー保護を声高に訴えている。Appleは10月、米国のユーザーを対象に、プライバシーポータルから自分のデータをダウンロードできるようにした。
提供:James Martin/CNET
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。