シンガポールのHIV陽性者1万4200人の個人情報がオンラインに流出

Eileen Yu (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2019-01-29 10:47

 シンガポールに居住していた米国人が、HIVと診断された1万4200人の個人情報をオンラインに流出させた。この米国人はパートナーを通して、そのデータに不正にアクセスした。地元当局によると、 コンタクト・トレースのプロセスを通して特定された別の2400人のデータもオンラインにリークされたという。

 シンガポール保健省が現地時間1月28日の声明で述べたところによると、HIV登録簿の機密データが、就労ビザを取得してシンガポールに居住していたMikhy K Farrera Brochezという米国市民によって不正にアクセスされ、漏洩されたという。影響を受けた個人には、2013年1月までにHIVと診断された5400人のシンガポール人と2011年12月までにHIVと診断された8800人の外国人が含まれる。

 同省によると、個人の氏名、登録番号、詳細な連絡先(電話番号や住所を含む)のほか、HIV検査の結果、関連する医療情報も流出したという。2007年5月までにコンタクト・トレースのプロセスを通して特定された2400人の氏名、登録番号、電話番号、住所も漏洩した。

 保健省は、地元警察からの連絡で漏えいが発覚したと述べた。問題の人物は過去にさまざまな詐欺や麻薬関連の罪で有罪判決を受けている(具体的には、就労ビザを維持するために自身のHIV検査の結果についてうそをつき、偽造された学位証明書を就職活動で使用した)。シンガポールから追放され、それ以来、シンガポールに戻っていない。

 この米国男性はLer Teck Siangというパートナーを通して、そのデータに不正にアクセスした。シンガポールの医師であるパートナーは、保健省のNational Public Health Unitの統括者として、地元のHIV登録簿のデータへのアクセスできる状態にあった。このデータベースには、HIV陽性者に関する情報が含まれており、シンガポールのHIV感染状況の確認、コンタクト・トレースの促進、疾病予防対策の評価に使用される。

 パートナーは2014年1月に辞職した。問題となっている米国男性の詐欺を幇(ほう)助し、警察と保健省に虚偽の情報を提供した罪などで有罪判決を受けている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]