業務自動化策として注目されているロボティックプロセスオートメーション(RPA)だが、ユーザー企業の導入を支援する立場からどう見えるのか――。
RPAソフトウェア大手のUiPathが1月30日に開いたイベントにRPA導入を支援するパートナーとして「2020年のデジタル戦略とUiPath『日本の自動化を、前へ。』パートナーラウンドテーブル」にアクセンチュアやPwCコンサルティング、デロイト トーマツ コンサルティング、KPMGコンサルティングが登壇した。登壇したのは以下の4人。モデレーターは三菱総合研究所の百瀬公朗氏(コンサルティング部門副部門長)が務めた。
- アクセンチュア=田畑紀和氏(テクノロジーコンサルティング本部 インテリジェントソフトウェアエンジニアリングサービスグループ マネジング・ディレクター)
- PwCコンサルティング=中村哲氏(パートナー)
- デロイト トーマツ コンサルティング(DTC)=中村吉信氏(執行役員)
- KPMGコンサルティング=福島豊亮氏(デジタルレイバートランスフォーメーションディレクター)
(左から)モデレーターを務めた三菱総合研究所 コンサルティング部門 副部門長 百瀬公朗氏、アクセンチュア テクノロジーコンサルティング本部 インテリジェントソフトウェアエンジニアリングサービスグループ マネジング・ディレクター 田畑紀和氏、PwCコンサルティング パートナー 中村哲氏、デロイト トーマツ コンサルティング 執行役員 中村吉信氏、KPMGコンサルティング デジタルレイバートランスフォーメーション ディレクター 福島豊亮氏
「自動化で何を目指すのか」をはっきりさせる
モデレーターを務める百瀬氏の「RPA案件、発掘方法とは」の質問にDTCの中村氏は「コンサル殺しの質問」と聴講者の笑いを誘いながら、次のように回答した。
「われわれの調査では48%以上が事務業務。発掘せずとも(RPA案件)は当然出てくる。社内展開時はデモンストレーションやレクチャーを通じて、多くの業務をRPAで代替できるものの、経営層から見ればROI(投資利益率)が成り立たない。それが案件化しない理由。エンドトゥエンドで業務パターンを整理し、BPR(ビジネスプロセスの再設計)含めるとRPA化の余地は拡大する。この観点で既存作業が重複していないか、(ロボット化する)必要性があるのか、人が継続して担う作業なのか見れば分かりやすい」
アクセンチュアの田畑氏は「何を自動化するか企業は悩んでいる。本格展開時は各事業部にボトムアップで対応を求めても出てこない。結局、削減効果10時間程度と小さい話になる。トップからのメッセージがコスト削減や人員削減などに軸足を置くと、現場の抵抗感が強くなることが多い。『自動化で何を目指すのか』『トップが正しいメッセージを発する』ことが必要」と回答した。