リコーとシスコシステムズは2月26日、“デジタルワークプレイスの実現”に向けた戦略的提携を発表した。リコーが提供する複合機「RICOH IM C」シリーズ、クラウドプラットフォーム「RICOH Smart Integration」と、シスコの製品やサービスを連携。リコーが今春から展開する「RICOH Smart Integrationパートナープログラム」の先行パートナー企業としてシスコを位置づけ、軸となる3つのサービスを共同で構築しているという。
構築中のサービスは、クラウド、ネットワーク、デバイスの3つのレイヤでセキュアな環境を提供する“安心クラウド保管ソリューション”“簡単ネットワーク設定ソリューション”“安全デバイス接続ソリューション”の3つ。それぞれ基本的な内容を元に、4月から顧客へ試験導入するという。業種や業務などの特定分野へのサービス化も検討しつつ、9月には国内、以降グローバルでの販売も予定。顧客のデジタル変革と生産性向上を支援するとしている。
提携の概要
安心クラウド保管ソリューションは、複合機からそのままクラウドストレージサービスへ保存できるサービスになるという。スキャン時間を削減するほか、シスコのCASBサービス「Cloudlock」などを活用し、マイナンバーなどの機密文書をキーワードを活用して自動で検知。保存する際のフォルダ選択、ファイルの共有設定変更やメールでのアラートなど、人為的ミスを軽減するサポートを通して文書のクラウド保管を容易にするという。
安心クラウド保管ソリューションの一例(出典:リコー)
複合機の画面から設定できる
簡単ネットワーク設定ソリューションは、複合機から複数拠点の様々なネットワーク機器が一括設定できるという。Wi-Fiインフラをクラウド経由で管理する「Cisco Meraki」などを活用し、ネットワーク構築にかかる負荷、設定ミスなどを低減するとしている。
簡単ネットワーク設定ソリューションの一例(出典:リコー)
安全デバイス接続ソリューションは、リコーの複合機をモバイル端末から管理する「RICOH Streamline NX」と、企業内のネットワークでセキュリティポリシーを設定、適用する「Cisco Identity Services Enginel」を組み合わせて活用。ネットワーク接続するデバイスを自動検知し、設定に沿う新規機器の自動追加や、私物端末などの不正デバイスのアクセスを制御するという。管理者の手作業を削減できるとしている。
安全デバイス接続ソリューションの一例(出典:リコー)