リコーの山下良則 代表取締役 社長執行役員
1月にクラウドサービスを促進する複合機としてIM Cシリーズを発表したリコー。倉庫や病院などの現場をはじめ、それぞれの顧客、業種ごとにデジタル化の伸び代を感じているという。
リコーの代表取締役 社長執行役員を務める山下良則氏は、「クラウドによってあらゆる場所で働ける環境が整いつつある。知的生産を生むためのコラボレーションがより大事になってくる」と、変化する働き方の重要性を語る。「働き方改革は企業にとっての“働かせ改革”でなく、人にとっての“働きがい改革”であらねばならない。徹底的にこだわり、スマートに働ける環境を提供したい」(山下氏)
サービスを提供する側として、クラウドを活用、コラボレーションする際に必ず発生するデータのやり取りの安全性を重要な問題と捉えているという。Smart Integrationパートナープログラムの先駆けにシスコを選定した理由もその一環で、「デジタルにはEUの一般データ保護規則(GDPR)のように、一歩踏み外すと命取りになりかねないリスクがある。担保しているデバイスのセキュリティに加え、シスコのセキュリティによってクラウドにつなげる部分も確固たるセキュリティを提供したい」(山下氏)と理由を説明する。
シスコでは、2018年にグローバルで使用する1500台の複合機をリコー製品にリプレース。自社で展開するネットワークセキュリティの技術を活用し、ネットワークを活用した複合機の安心、安全な運用を実践してきたという。リコーの執行役員 プラットフォーム統括本部長を務める野水泰之氏は、「クラウドサービス、ワークプレイスを実現する多様なデバイス、それらをつなぐネットワーク。各レイヤに存在するセキュリティリスクに一気通貫で対応できる技術がシスコにはある」と語る。
3つのレイヤには様々なリスクがある
主な想定ユーザーは、セキュリティ対策の人材に悩みを抱える企業全般になるという。「社内システムでセキュリティ対策に従事する人材が不足している企業のほか、IT管理者が不在だったり、セキュリティといっても何をすれば良いかわからない、という企業も想定している。シスコのネットワーク構築におけるセキュリティとリコーの顧客基盤と販売網という強みを掛け合わせ、中小、大手どちらにもIT管理者に変わる安心、安全を提供したい」(野水氏)
想定ターゲット(出典:リコー)
(左から)リコーの山下氏、米Ciscoのエグゼクティブバイスプレジデント 兼 最高財務責任者のKelly Kramer氏