Microsoftが「Windows Virtual Desktop」(WVD)を発表したのは2018年9月のことだ。同社は当時、この製品の初期バージョンを、2018年末までに関心のあるすべてのテスターに提供する予定だと述べていた。そして2019年3月21日になってようやく、WVDのパブリックプレビューが(少し遅れて)開始された。
WVDはマルチセッションの「Windows 10」を利用できる仮想デスクトップ基盤で、「Windows Server Remote Desktop Servcies」(Windows Server RDS)のデスクトップとアプリにも対応している。WVDユーザーは、「Windows 7」やWindows 10、「Office 365 ProPlus」のアプリ、その他のアプリケーションをAzureの仮想マシン上で実行し、リモートから利用することができる。
同社は、Windows 7の仮想デスクトップを利用するWVDのユーザーに対して、2023年まで無料で「延長セキュリティ更新プログラム」を提供することも明らかにしている。これは、WVDのライセンスを購入した顧客は、Microsoftが公式にWindows 7のサポートを終了し、セキュリティアップデートの提供を取りやめる2020年1月14日以降も、当面の間セキュリティアップデートを受けられることを意味している。
今回の発表ではWVDの料金体系は明らかにされなかった。このサービスは、Azureのサブスクリプションをセットアップし、利用したい仮想マシンとストレージの種類を選択するだけで利用できる。
「Microsoft 365」のF1、E3、E5または「Windows 10 Enterprise」のE3、E5を利用しているか、「Windows Virtual Desktop Access」のライセンスを持っている顧客は、WVDを無料で利用できる。また、「Microsoft Remote Desktop Services」のライセンスを持っているWindows Serverのユーザーも、追加コストなしでWVDを利用できる。
デスクトップやアプリの展開はAzureの全リージョンの仮想マシンで可能だが、パブリックプレビュー中は、これらの仮想マシンのデータや管理ソリューションは米国内のリージョンに置かれる。このため、プレビュー期間中は米国リージョンにデータが送信される可能性があることに注意する必要がある。各リージョンでの管理ソリューションの提供やデータの保管は、VWDの一般提供開始後に順次展開されるという。
WVDの一般提供は2019年後半に開始される予定だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。