横浜市は、開発型ロボティックプロセスオートメーション(RPA)ツール「ROBOWARE」を使用して、より複雑な業務プロセスの自動化の可能性についての報告書を公表した。ROBOWAREを提供し、今回の調査を同市と共同実施したイーセクターが発表した。
この取り組みで対象業務としたのは、旅費支給事務、物品購入事務の2つ。業務フロー全体の処理時間の削減が可能か、既存の複数システムと連携し処理プロセスにおいてロボットの作業を中断また、再開する事がRPAで可能かどうかなどを検証した。
旅費支給事務では、認証ポータルにログインし、庶務事務システムから旅費精算書をダウンロード、財務会計システムでの支出命令書作成、文書管理システムでの回議まで、人の処理を組み入れた状態での自動化が可能なことを確認した。年間での削減効果は、ロボット化した部分が3145.8時間で33.1%の削減となり、現行業務比較では6517.9時間、50.6%の削減(業務フロー見直し含む)になるという。
物品購入事務では、発注伺などの必要ファイルを作成し、認証ポータルへのログイン、財務会計システムでの契約登録、文書管理システムでの支出命令書の回議までを人の処理を組入れた状態での自動化ができることを確認した。同削減効果は、事務用品その他の全庁的に購入するものについては、ロボット化部分で761.9時間、54.7%の削減になり、現行業務との比較では4509.1時間、87.7%の削減だった。
また、各事業で個別に購入するものについては、ロボット化部分で6055.7時間で、32.5%の。現行業務との比較では2万3066.0時間、65.6%の削減(業務フロー見直し含む)の見込みとなった。
物品購入事務(個別購入)の作業フローと削減効果
横浜市とイーセクターでは、今回の検証では事前に作成された新業務フローにおけるRPAの対象となるスコープの明確化し、開発における課題を常に共有しつつ進めることにより、さらに効率化が図れる部分を見出しつつ、手戻りなく調査研究を進めることができたとしている。