競争相手の先手を取り続けるためには、最高情報責任者(CIO)や最高技術責任者(CTO)、最高デジタル責任者(CDO)などの業務やビジネスモデルへの最新技術の導入を担う企業幹部が、インテリジェントマシンやロボティックプロセスオートメーション(RPA)ボット、人工知能(AI)、ロボットなどの自動化技術に目を向ける必要がある。自動化には、「認識」(sense)のための技術(いつどのような理由でアクションを起こすかを決定するための情報の収集と評価)から「適応」(adapt)のための技術(アクションの方法を決定し、タスクを順序付けて実行する)まで、広範囲の多様な技術が包含されている。真の自動化を実現するには、この両方のタイプのアクションが必要になる。
完全な自動化には認識と適応の両フェーズの技術が必要
自動化によって従来よりも幅広い業務プロセスが変革されつつあることで、この技術への注目が高まっている。自動化は仕事を変え、仕事の進め方を変えている。また顧客体験を支える業務を変容させ、製品やサービスのデザイン、生産、流通、サポートを従来よりもはるかに効果的なものにするために役立っている。自動化は顧客体験の改善に直接的に寄与するようになっており、この技術によって初めて、パーソナライゼーションなどのソリューションを大規模に導入することが可能になった。
CIOやCTO、CDOなどの技術的なイノベーションの推進を担うリーダーは、自動化技術が自社のビジネスに与える幅広い影響を常に意識する必要がある。自動化が効果を上げている分野をいくつか挙げてみよう。
- AIで強化されたRPA。AIは自動化の一側面にすぎず、AIに関連する領域には多くのアルゴリズムやツールが含まれている。しかし多くの自動化技術では効果を高めるためにAIが利用されており、近い将来にそうなると見込まれているケースも多い。例えば、RPAはすでに業務で大きな価値を生み出しているが、コグニティブAIを組み合わせることで、今後さらに多くのビジネス課題をより洗練された方法で解決できるようになるだろう。
- ソフトウェア定義インフラストラクチャ。自動化は企業インフラの基本的な部分でも始まっている。実際、最近ではCIOが管理しているインフラの大部分がソフトウェアを基盤にしている。今では、コンテナを含む「Infrastructure as Code」が現代のエンタープライズインフラストラクチャの基礎になっている。