Googleは米国時間5月7日、年次開発者会議「Google I/O 2019」で、ウェブページのローディングやナビゲーションに新風を吹き込む「Portals」と呼ばれる新たなテクノロジーを発表した。
提供:Google
GoogleによるとPortalsは<portal>という新たなHTMLタグを使って動作するという。このタグの動作は、従来からある<iframe>タグとよく似ている。ウェブ開発者は<portal>タグを指定することで、自らのページ内にリモートコンテンツを埋め込めるようになる。
<portal>タグと<iframe>タグの違いは何かと言えば、Googleの新たなPortalsテクノロジーが<iframe>タグの制約を取り去ったものだというところにある。
Portalsを使用することでユーザーは、埋め込んだコンテンツへのナビゲーションが可能になるとGoogleは述べている。<iframe>タグではセキュリティ上の理由からこういったことが許されていない。
さらに、Portalsではアドレスバー上のURLを上書きすることもできるため、<iframe>タグが今日担っているコンテンツの埋め込みという枠を超え、ナビゲーションシステムとしても利用できる。
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Googleのエンジニアらは、Portalsという新たなテクノロジーがウェブの世界で普及し、リンクをまたがるウェブサイト間の遷移のための標準的な方法になってほしいと考えている。
例えばエンジニアらは、ユーザーがニュースサイトを閲覧しており、記事の末尾に達した際に、<portal>タグを用いて埋め込まれた関連記事へのリンクをクリックすれば、シームレスに該当ページに遷移できるという目的で使われるようになってほしいと考えている。
従来のリンクに比べた利点は、Portalsがユーザーによるページのスクロール中に<portal>タグ内のコンテンツを先にロードし、新規ページへの展開準備をしておくことで、ロード時の待ち時間をなくせるというものだ。
この機能が最初に発表されたのは2018年11月に開催された「Chrome Dev Summit」だったが、Portalsは7日から「Android」と「macOS」「Windows」「Linux」「Chrome OS」向けの最新版の「Chrome Canary」でサポートが開始された。
この機能を使用するには、chrome://flags/#enable-portalsにアクセスし、「Portals Chrome」フラグを有効化する必要がある。
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