Tintri by DDNは今後数年のロードマップとして、(1)アナリティクス、(2)データアウェア、(3)プランニング、(4)プラットフォーム&パフォーマンス、(5)セキュリティ、(6)ユーザーインタフェース(UI)――の順に注力することを表明。Tintri専用OSの最新版である「Tintri OS 5.0」に搭載する新機能が(1)(2)(3)の注力ポイントを支える基盤となる。
これまでの一般的なストレージは論理ユニット番号(Logical Unit Number:LUN)やボリューム単位で、IOPSやスループットをもとに負荷を制御しているが、Tintriストレージは仮想マシン(VM)単位で制御する。つまり、Tintriは「VM-aware(仮想マシンを理解)」する仮想化ワークロードを前提に設計してきた。今回の新機能はVM-awareを「DB-aware(データベースを理解)」に展開したものだ。
Tintri by DDN プロダクト管理シニアダイレクター Tomer Hagay氏
プロダクト管理シニアダイレクターのTomer Hagay氏は「VM内をのぞき込み、RDBMSが稼働していれば、複数のデータベースを参照。各データベースを認識して、優先すべきデータベースを管理者のために特定する」と説明。新たなDB統合機能は物理環境か仮想環境を問わずに性能の可視化や制御、予測を「Tintri Global Center」を通じて実現し、DB管理者の負担を極力抑制できる。
2019年後半のリリースを予定しているフェーズ1では、Microsoft SQL Serverをサポート。2020年以降のフェーズ2では、「I/Oプロファイリングとフィンガープリント」「サードパーティーによる統計値の統合」「VMWareタグ」「リアルタイムの統計を使用した特性評価の強化」「DB Awareのメトリクスの追加」「その他のデータベースサポート」を予定。対応するRDBMSはOracle Database、MongoDB、PostgreSQLなどを予定しているが、Trickovic氏は「コンテナやモバイルデバイスを考慮し市場を注視しながら対応したい」と説明する。
Tintri OS 5.0では、データベースレベルのクローニング機能も実装する予定だ。Hagay氏は「コピーソリューションを提供するベンダーはこれまでも存在するが、クローニングに何時間もかかった。われわれの新機能は秒単位で実現できる」という。同社は今後8月に米サンフランシスコで開催予定の「VMworld 2019」でプレビュー版の展開を予定している。