SaaSの可視化機能を業務の生産性向上に生かせ - (page 2)

松岡功

2019-05-30 07:15

IT部門はSaaSを業務改革の“道具”として活用すべし

 以上がNECソリューションイノベータによる発表の概要だが、筆者がこの新サービスに注目したのは、Office 365のようなSaaSの利用状況を可視化することで、このサービスが支援するセキュリティリスクの低減やメンテナンス作業の効率化に加えて、業務の生産性向上に生かすべきだと考えたからだ。

 そのSaaSがERPやCRMのような経営に直結するアプリケーションであれば、利用状況を可視化することによって、業務の生産性に加えて、業績への貢献度を推し量ることもできる。

 さらに言えば、企業のIT部門がこうした作業を担い、SaaSを活用した業務改革、さらには業績アップの先導役を果たせばどうかと考える。IT部門がない規模の企業でも、経営者にそうした問題意識があれば、総務部門などを通じてSaaSを業務改革の“道具”として使えるだろう。

 筆者がこう考えるのは、かつてあるSaaSのユーザー企業を10数社、取材して回った際に、うまく活用している企業はそうした業務改革への取り組みも積極的だったからだ。利用状況を可視化して効果を分析するノウハウは、実はSaaSベンダーも結構、蓄積している。

 加えて今回のNECソリューションイノベータのようなシステムプロバイダーも、これからの大いなるビジネスチャンスだけに相当な力の入れようだ。今後はBI(ビジネスインテリジェンス)ツールとの連携なども一層活発になってくるだろう。今回取り上げた新サービスには、そんなポテンシャルを感じた次第である。

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