オープンソースソフトウェア(OSS)のコンテナ技術「Docker」とコンテナ化したアプリケーションのデプロイやスケーリング、管理するツールである「Kubernetes」が注目されるようになっている。VMwareでもパッケージの「VMware Enterprise PKS」、SaaSとして現在ベータ版として提供されている「VMware Cloud PKS」(製品版は年内リリース予定)、ハイブリッドクラウド環境に対応する「VMware Essential PKS」を用意している。
NSXのコアエンジンと統合したオーケストレーションレイヤーとなるEnterprise PKSはオンプレミス向け。Essential PKSは小規模なスタートや大量の自動化、オーケストレーションを必要としない顧客向けにハイブリッドシナリオを想定。そしてCloud PKSは最新のKubernetesエンジンを使用したSaaSとなる。
VMwareは2018年11月にHeptioの買収を発表した。Heptioは、Kubernetesへの貢献企業と知られている。「(Heptio)創業者のうち2人(Joe Beda氏とCraig McLuckie氏)はVMwareの社員」(Wolf氏)とVMwareプラットフォームとKubernetesの親和性を強調した。もう1人の創業者であるBrendan Burns氏はMicrosoftに在籍している。

ヴイエムウェア チースストラテジスト 高橋洋介氏
現時点でEssential PKSは北米中心に展開中だが、「Kubernetesの需要は年々増加し、インストールベースも増加中。顧客需要はあるものの技術者不足」(ヴイエムウェア チースストラテジスト 高橋洋介氏)と日本市場における潜在的需要について述べた。なお、Essential PKSは顧客連絡で個別に対応している。
クラウドサービスをエッジに拡張する技術である「Cloud-Enabled Edge Services」について、Wolf氏は「たとえば自動運転車は即時応答が求められる。クラウドサービスはデータが生成もしくは消費される場所にこそ必要だ」と意義を説明。AWSのIoT向けサービス「Greengrass」やデータベースサービス「RDS」、Azureの「Azure IoT Edge on vSphere」、GCPのアプリケーション管理プラットフォーム「Anthos」や「Tensorflow for local ML/Inference」をエッジ側やプライベートデータセンターでの運用できるアピールした。
その上でWolf氏は「パブリッククラウドは場所ではない」と述べながら、クラウドサービスはビジネスロジックと同様に運用を重視しながら、需要に応える存在であると改めて強調した。