ヴイエムウェアは6月11日、グローバルでのクラウド戦略を説明する記者会見を開催。4月末に米ラスベガスで開催されたイベント「Dell Technologies World 2019」の2日目の基調講演に米本社最高経営責任者(CEO)であるPat Gelsinger氏が登壇し、今年の事業戦略を発表したが、そのクラウド戦略を抜粋した形となる。
米本社グローバルフィールド&インダストリー担当バイスプレジデントで最高技術責任者(CTO)であるChris Wolf(クリス・ウォルフ)氏は「アプリケーションに対する需要がITの主導権を推進している。われわれはスマートフォンと同じように自動化&運用を中心に位置付け、コンシューマー向けアプリケーションと同じ簡便さを企業内でも実現したい」と自社の方向性を示した。
同社は、マルチクラウドの自動化ツール「VMware vRealize Automation」と連携するオーケストレーションツール「VMware Cloud Assembly」とクラウドサービスアグリゲーター「VMware Service Broker」、アプリケーションコードリリース管理ツール「VMware Code Stream」で構成された「VMware Cloud Automation」を通じて、アプリケーションの開発や展開を容易かつ効率化するサービスを2018年8月に発表している。

VMware グローバルフィールド&インダストリー担当バイスプレジデント兼CTO Chris Wolf氏
そして、前述の基調講演で2018年8月に買収したCloudHealth Technologiesの技術を自社製品化したCloudHealthを中核においたクラウド運用管理について、「Cloud Operationsはパブリッククラウド運用や管理の課題を解決するだろう。CloudHealthはプロビジョニング時に過剰に確保したリソースサイズが適切か確認することで、ROI(投資利益率)を12時間以内に投資回収できる」(Wolf氏)
この一貫性を持った運用についても、「われわれはグローバルで一貫した体験を提供する。サービスを仮想化することでアプリケーションがどこで動作してもインフラを意識する必要はない。(VMwareが)インフラを管理して、セキュリティも顧客のポリシーに応じて適用する」(Wolf氏)とハイブリッドクラウドにおけるインフラ技術者の負担を一手に引き受けることで、運用担当者や開発者、事業部門に対する自社の価値を強調した。

VMwareが焦点を当てるのは「Multi-Cloud Operations(クラウドの運用と自動化)」。Wolf氏は「複雑性を欠くして一貫性のある基盤を提供する。われわれは独自のUI(ユーザーインターフェース)や機能拡張で顧客をベンダーロックインしない」と語った(出典:ヴイエムウェア)