あしたのチームとリンクアンドモチベーションは6月13日、中堅中小企業での従業員の“相互理解(エンゲージメント)”を向上させる「エンゲージメントスコア向上保障サービス」を発表した。7月1日から提供する。
あしたのチームが提供する人事評価支援サービス「ゼッタイ!評価」のプレミアムプランに、リンクアンドモチベーションが提供する組織診断サービス「EES(エンプロイーエンゲージメントサーベイ)」を付帯。後述する条件で人事評価制度を運用している企業に対して、導入後1年間に“エンゲージメントスコア”が向上しなかった場合、人事評価制度の運用支援を半年間無償で提供する(従業員約50人で約180万円相当)。あしたのチーム 代表取締役 高橋恭介氏は「結果にコミットする形を取ることで、両社のサービスが従業員エンゲージメントに資する」と意義を説明した。
あしたのチーム 代表取締役 高橋恭介氏
リンクアンドモチベーション 代表取締役社長 坂下英樹氏
4月から順次施行した働き方改革法は、残業時間削減やテレワーク、副業・兼業の解禁など、既存の労働環境を大きく揺るがし、企業経営層を悩ませる一因となっている。そのため、企業と従業員の相互理解や相思相愛の度合いを表す「従業員エンゲージメント」が注目を集めている。
このキーワードについて、リンクアンドモチベーション 代表取締役社長 坂下英樹氏は「個人のスキルとエンゲージメントは別。4番バッターばかり集めた球団はチームとして機能しない。サッカーならレッドカードで2人の退場者が出ても、9人で試合に臨む」と、個人ではなく組織全体にまつわる組織活動に欠かせない要素であると指し示した。
リンクアンドモチベーションが慶応義塾大学ビジネス・スクール岩本研究室との共同研究として、同社の顧客194社を対象に2017年7月から3カ月間調査した結果によれば、エンゲージメントスコアの向上は売り上げや純利益の向上に大きく影響するという。
4690社108万人から算出したEESは、スコアをもとに11段階に格付けしているが、格付けBの企業と格付けAの企業では翌年の売上伸張率に15.2%の開きが生じた。純利益進捗率も69.1%の差が生じている。坂下氏は「生産性はエンゲージメントと相関する」と強調した。同社のエンゲージメントスコア別に組織状態を判断すると以下のようになる。
70~ =ささやけば伝わる
60~69=打てば響く
50~59=話せば分かる
40~49=不満たらたら
~39=笛吹けど踊らず