米国の企業は“エンプロイーエンゲージメント”に関して問題を抱えています。Gallupの最新の「State of the American Workplace」調査には以下のように示されています。
- 従業員のうち積極的にエンゲージしているのは33%のみ
- 51%はエンゲージしていない
- 16%は積極的にディスエンゲージしている(疎外感を抱いている)
ディスエンゲージした従業員に伴う大きなコスト
Harvard Business Reviewの調査では、エンプロイーエンゲージメントのスコアが低い企業は生産性が18%低く、利益率は16%低く、時間の経過とともに株価が65%下がることが明らかになりました。
その一方、高いエンゲージを示した従業員を持つ企業は求職者の数が2倍となっていますが、これはエンゲージした従業員は職場の求人中のポジションへの応募を知人に勧める可能性がより高いからです。
適切なテクノロジーがスタッフに力を与えエンゲージを促す
世界最大規模の企業を対象とした監査業務や組織変更業務を通じ、Deloitteは「High-Impact HR」の価値を見出しました。従業員のニーズを満たすため顧客に対するものと同じ努力を払う企業は、ビジネスゴール達成の可能性がより高まります。
言い換えれば、従業員が会社とどのように直接関わるかは、その生産性とエンゲージメントに影響を及ぼします。この調査からは以下のことが明らかになりました。
- 生産性は、従業員が仕事に必要とするテクノロジーにどの程度アクセスし、それを利用できるかに直接連携している
- 職場のデジタル化はもはや「あれば良い」ものではない。従業員は消費者として経験している使いやすさを職場においても期待している
- High-Impact HRは人事部門にとっての顧客、すなわち従業員から始まる
「同僚に配慮すれば、その同僚は顧客に配慮を示すだろう」(John Willard Marriott=Marriott International創業者)
エンゲージした従業員はより優れたカスタマーエクスペリエンスを生み出す
従業員は顧客と自社の製品やサービスとを結び付けるという極めて重要な役割を担っています。社内での質の高いカスタマーエクスペリエンスは、従業員の幸せに対する企業の取り組みを示し、相互の信頼に基づく企業文化を確立します。
残念ながら、企業の多くはリソースを外部の顧客に向けたデジタルツールにつぎ込み、従業員には時代遅れとなった社内アプリケーションやソフトウェアを使い続けることとなっています。