シスコシステムズは4月11日、従業員25人以下の小規模事業者や個人事業主などを対象に専任IT担当者が不在でもWi-Fi環境を構築できる「Meraki Go」を発表。同シリーズを構成するアクセスポイント(AP)として屋内型の「Cisco Meraki Go GR-10」と屋外型の「Cisco Meraki Go GR-60」を発表した。価格はGR-10が2万円前後、GR-60が3万円台になる予定。
北米では2018年9月にローンチし、欧州など約10カ国で展開済みのAPである。専用モバイルアプリケーション「Cisco Meraki Go Mobile App」でネットワーク状態の確認やゲスト向けのSSID発行といったネットワーク管理が容易になるという。
ウェブ会議サービス「Cisco Webex」にも新ラインアップを追加。Starterプランは1ホストあたり毎月1700円、中規模チーム向けのPlusプランは毎月2250円、大規模チーム向けにストレージ容量やプレミアムサポートが付与するBusinessプランは毎月3400円。新たに30日間無料トライアルを設けており、期間終了後も3人までの会議は継続利用可能。
ともに5月からの正式販売を予定している。
Meraki Go。背面にはPoE(Power over Ethernet)と電源ポートを用意し、施設の側面に配置しやすい設計を施している
シスコシステムズ 代表執行役員社長 Dave West氏
Cisco Systems シニアバイスプレジデント チーフオブオペレーションズ Irving Tan氏
中小企業庁が2018年4月に公表した2018年版「中小企業白書」によれば、日本の中堅中小企業が占める割合は99.7%。従業員数の占める割合も70%を超える。同庁が2017年3月に公表した調査によると、ビジネスにITを活用していない割合は80%超となっている。
この状況について代表執行役員社長 Dave West氏は「DX(デジタルトランスフォーメーション)は大企業だけではない。中堅中小企業もデジタルイノベーションも強く欲している」と分析する。
同社は新たなセールス組織として、SMB・デジタル事業部を新設。米本社のシニアバイスプレジデントでチーフオブオペレーションズを務めるIrving Tan氏は「エンタープライズで培った経験と資産構成をパッケージ化し、日本にローカライズして中堅中小企業へ提供する」と新事業の戦略を説明した。
新部門であるSMB・デジタル事業を統括する執行役員の鎌田道子氏(東京2020マーケティング担当を兼務)は、中堅中小企業向けの戦略として「製品」「販売」「マーケティング」の3軸を持たせ、製品に対してはMeraki Goに代表される“DIY(Do It Yourself)”モデル製品を展開していくという。