A10 Networksは、「通信サービス事業者に対するDDoS(分散型サービス妨害)攻撃の現状」という調査レポートを発表した。これによると、「DDoS攻撃を緩和するための適切な対策を講じられている」と答えた通信サービス事業者は全体の29%にとどまり、多くの事業者がDDoS攻撃への耐障害性に懸念を抱いていることが分かった。
この調査は、米国のインターネットサービス事業者やモバイル通信事業者、クラウドサービス事業者に勤務し、自社のDDoS対策に精通しているITおよびセキュリティ担当者の325人を対象に実施された。
回答者は、ネットワーク層を標的にしたDDoS攻撃が最も一般的であり、かつ最も危険なものだと答えている。また、今後DDoS攻撃はさらに増加するか(54%)または同様な高いレベルを維持する(31%)と予想が合わせて85%に上り、自社が効果的あるいは非常に効果的な防御が行えていると評価したのはわずか34%、効果的あるいは非常に効果的な検知が行えていると評価したのは39%だった。
調査結果からはインテリジェンスの欠如が浮き彫りになり、DDoS対策の最大の障壁として、実用的なインテリジェンスの欠如が挙げられ、人材と専門知識の不足、テクノロジーの不足がそれに続いている。また、インテリジェンスの問題として、陳腐化して実用に値しない古過ぎるインテリジェンスが最も多く挙げられ、不正確な情報、インテリジェンスの情報と安全対策との統合の欠如なども挙げられている。
さらに、DDoS対策ソリューションにおける最も重要な機能としては、拡張性、DDoS防御と脅威インテリジェンスの統合、インテリジェンス情報を収集する精度と可視性を向上させるための分析と自動化を統合する機能が挙げられている。
一方、回答者は自社のマネージドサービスとしてDDoS対策サービスを提供することを重要なビジネスチャンスと捉えており、大半(66%)が、DDoSスクラビングサービスを提供しているか、提供を計画していると回答している。