RPA展示会で見つけた6選--自社開発が増加、管理ツールも多様化

藤代格 (編集部)

2019-07-24 07:00

 ソフトウェアのロボットがPC操作を実行するロボティックプロセスオートメーション(RPA)。作業を自動化できることから盛り上がりを見せ、6月7日に開催された「RPA DIGITAL WORLD TOKYO 2019」でも多くの来場者が詰めかけていた。歩きながら目に留まった6つのブースを紹介する。

1.「MinoRobo」--SIノウハウを詰め込んだデスクトップ型

 Minoriソリューションズ(新宿区)は、2018年1月から販売するデスクトップ型RPA「MinoRobo」を紹介。システムインテグレーター(SIer)として多くの実績を持つ同社だが、自社初となるサービスを模索していたという。

 同社のビジネスイノベーション推進室長を務める高橋進一郎氏は「もともとスクラッチでの受託開発が事業の中心だったため、色々なアプリの自動化実績がある。現場ごとに存在している各ツールやノウハウを集約して開発した」と経緯を説明する。

 従来ツールに多い座標や画像を指定する方法でなく、オブジェクト認識型を採用。レイアウト変更などにも柔軟に対応可能で、簡単かつシンプルな操作画面を実現した、誰でも使えるRPAになるという。「自社開発ツールということで、サポートも柔軟に対応できる。シナリオのサンプル作成など、支援も高く評価されている点の一つ」(高橋氏)

 シナリオを作成できる「Maker」、実行する「Worker」に加え、5月にはログの集中管理、稼働状況を可視化できる「Manager」を発表。「台数が増えると管理が困難になるという、デスクトップ型RPAにありがちな課題に対応できる。目安として人の場合の作業時間をロボットに設定できる機能も用意した。人力の場合どれくらいの時間がかかるかと比較ができる」(高橋氏)

シナリオ作成画面
シナリオ作成画面

 税別年額料金はMakerが85万円、Workerが20万円。オプションという位置づけになるManagerは72万円。

2.「akaBot」--グローバル対応を安価に提供

 日本に進出して15年ほどになるというベトナムFPT Software Companyの日本法人、FPTジャパンホールディングス(港区)。システムやアプリケーションのオフショア開発、受託などを事業とし、2年ほど前からRPAの取り扱いも開始。「UiPath」「Pentaho」「Kofax RPA」などを中心に、500人規模のエンジニアで対応できるとしている。

 2019年6月に正式リリースした「akaBot」は、それまでのノウハウをもとに自社開発したRPA。同社のビジネス推進部でオフィサーを務める倉橋達也氏は「RPA関連サービスのライセンス販売から導入、保守運用までをワンストップかつグローバル規模で提供しているが、自社ツールの必要性を感じていた」と開発理由を説明する。

 開発ツールの「スタジオ」、実行ツールの「エージェント」、ロボットを監視、管理する「センター」の3つで構成。「人工知能(AI)との親和性が高く、各企業に応じたカスタマイズを提供できる点が大きな特長。また、UiPathと酷似しているとの感想が多い。使い勝手などをあまり変えず、競争力のある価格でグローバルでのサポート体制とともに提供できる。既存のRPA製品と比べた強みとなっている」(倉橋氏)

3つの強み(出典:FPTジャパンホールディングス)
3つの強み(出典:FPTジャパンホールディングス)

 提供料金は、スタジオが60万円前後、エージェント、センターはそれぞれ1ライセンス30~50万円前後。

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