産業技術総合研究所(産総研)は、児童相談所の虐待相談対応を支援する業務システムを開発し、そのインフラ環境にさくらインターネットのクラウドサービス「さくらのクラウド」を採用した。
同システムは、AI(人工知能)が過去事例の分析から虐待の深刻度や再発率などを予測し、児童相談所の迅速な意思決定を支援するもの。タブレット用アプリ「AiCAN(Assistance of intelligence for Child Abuse and Neglect)」と、クラウド上の計算サーバーとデータベースで構成される。
同システムの構築プロジェクトは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業。日本コムシスが受注し、システム全体を設計した。タブレットはNTTドコモ、インフラはさくらインターネットが提供している。
システム概念図(出典:さくらインターネット)
さくらインターネットは、タブレットとクラウドをつなぐデータ通信のほか、国内法を適用するため国内データセンターを用いたクラウド型のサーバーシステムを構築している。産総研が実施する実証実験では、サーバー管理、セキュリティ対策、システム運用を行う。
同システムは、児童相談所がある自治体と共同実施する実証実験に用いられる。セキュリティに十分な配慮がなされたシステム要件や24時間体制のユーザーサポートが求められている。さくらのクラウドは性能、セキュリティ、保守運用の点で産総研の仕様を全て満たしているとして採用に至った。