富士通FIP、映像管理を支援する「メディアリュック」を発売

大場みのり (編集部)

2019-08-05 14:11

 富士通エフ・アイ・ピー(富士通FIP)は、映像コンテンツを扱う企業に向けて、映像の管理・共有を支援するサービス「FUJITSU メディアソリューション メディアクラウド メディアリュック(メディアリュック)」の販売を開始した。

 近年、SNSや動画配信サービスなどの普及によって映像コンテンツの視聴が日常的になっている。加えて、VR(仮想現実)/AR(拡張現実)、ドローンによる空撮映像、4K/8Kの高精細映像、AI(人工知能)の画像認識など、その種類や活用の幅は広がっている。さらに、世界各国で2020年に向けて5G(第5世代移動通信システム)の商用化が進められていることから、あらゆる分野において映像コンテンツの流通が活性化すると予想される。

 一方、映像コンテンツを扱う企業は、大量のデータから必要なシーンを抽出する作業や、複数の関係者と情報共有する作業など、映像管理における負担が課題となっている。さらに、磁気テープなどの物理メディアに映像を保存している企業は、保存容量やバックアップの確保、紛失リスクの低減も求められている。

 こういった課題を受けて富士通FIPは、映像コンテンツを管理・共有するSaaSとしてメディアリュックを発売した。同サービスは、プレビュー映像の自動生成やメタデータの入力・検索などの管理機能を有し、作業負担を軽減する。また、SaaSのため、インターネットを介した関係者との映像の共有も可能。ユーザーの二段階認証やSSL-VPN通信などのセキュリティ機能も備える。

メディアリュックのサービスイメージ(出典:富士通FIP)
メディアリュックのサービスイメージ(出典:富士通FIP)

 メディアリュックの特徴は以下の3つになる。

  1. 映像管理に特化した機能と高い検索性
    高解像度でファイル容量の大きい映像コンテンツを保存可能。保存した映像には、作品概要やジャンルなどがファイルごとに登録される。また映像内のシーンへの注釈登録や、キーワード検索による映像の抽出が可能。加えて、プレビュー用の低解像度映像やシーンごとのサムネイル画像が自動生成されることにより、必要なシーンや静止画も抽出できる。さらに、MPEG、P2、AVC-intra、AVCHD、XDCAM、XAVC、ProRes、DNxHDといったビデオコーデックに対応しており、映像制作などでコンテンツを共有する際、さまざまな映像をスムーズに確認できる
  2. 手軽で柔軟な映像管理を実現するSaaS
    ユーザーは場所を問わず、インターネットを経由してクラウド上の映像コンテンツを管理できる。VPNを含む必要な通信設定を行った端末からブラウザー操作で利用可能なため、インターネットを通して関係者や顧客とも映像を共有できる。画面は分かりやすいレイアウトと操作性により、直感的な操作や手軽な映像共有が実現するとしている。アクセス権限やログインIDは利用者が管理するため、利用用途に応じて端末にIPアドレスを割り振ることができる
  3. 大切な映像を安全に管理
    ログインIDとユーザーパスワードによる第一認証に加え、メールを使用したワンタイムパスワードによる二段階認証が行われる。また、社内外からの遠隔アクセスを安全に遂行するため、SSL-VPN 通信を採用し、アップロードした映像コンテンツにはウイルススキャンを自動的に実行する
管理画面(左)、プレビュー用の低解像度映像画面(右)(出典:富士通FIP)
管理画面(左)、プレビュー用の低解像度映像画面(右)(出典:富士通FIP)

 活用例は以下の通りだ。

  • 映像制作企業:提案、制作、納品など、映像制作における取引先との映像のやりとりに活用
  • メーカー:CMや拡販イベント映像を管理し、検索や確認、切り取り、再利用に活用
  • 教育関連企業:講座映像を管理し、社内教育に活用
  • スポーツ団体:試合映像を管理し、日付や対戦相手などで検索したり、試合のシーンを切り取って再利用に活用
    •  価格は、初期費用が個別見積り、月額費用(基本容量が1TB、5IDの場合)が30万円から。販売目標は、5年間で140社、20億円だとしている。

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