調査

世界の5Gネットワークインフラ市場、2020年には4400億円規模に--ガートナー

Charlie Osborne (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2019-08-30 07:30

 Gartnerによると、企業が5Gの展開に向けた準備に力を入れるなか、世界的な市場規模は急速に拡大するという。

 Gartnerが英国時間8月22日に発表したところによると、ブロードバンドプロバイダーが次世代無線通信テクノロジーの展開に必要なインフラに投資することで、世界的な5G市場は2020年末までに42億ドル(約4480億円)規模に成長する見込みだという。

 5Gネットワークインフラ市場における売上高は、2019年の予測である22億ドル(約2320億円)からわずか12カ月で89%も増加し、42億ドル(約4430億円)になるとGartnerは予測している。

 Gartnerによると、通信サービスプロバイダー(CSP)が5G NR(New Radio)への投資を開始しており、2019年全体で見ると総売上高のおよそ6%を占めるようになるが、2020年にはこの値が倍増する見込みだという。

 同社のシニアリサーチディレクターであるSylvain Fabre氏は「2019年の5G配備において、CSPはノンスタンドアローン(NSA)テクノロジーを採用している。その結果、5G NRの設備を既存の4Gコアネットワークインフラとともに展開していけるようになるため、より迅速な5Gサービスの導入が可能になる」と述べている。

Gartner

 5Gの展開は小規模な分野で、そしてパイロットプロジェクトを通じて、米国や韓国、英国を含む国々で既に始まっている。とは言うものの2020年には、CSPが5Gテクノロジーを搭載した最新型の4Gネットワーク、すなわち5G NRと、核となる5Gインフラを配備することで、試験運用がより広範なプロジェクトへと進化していくと見込まれている。

 高速なモバイルサービスやストリーミング、コンテンツのアップロードに関する米ZDNetの予測に基づいた場合、コンシューマー市場はブロードバンドプロバイダーにとって重要な収益源となる。しかしGartnerは、5Gの普及とともに、新たな5Gサービスの主なターゲットが法人市場になると考えている。

 IoTやインダストリー4.0、クラウドサービス、自律型テクノロジー、テレワークに向けたトレンドはいずれも、次世代無線サービスの潜在的なユースケースと目されている。特に産業界のユーザーは、プライベートネットワークやスマートファクトリー、自己修復ネットワーク、IoTセンサー、ネットワークの自動化に向けたシフトにより、成熟した市場セグメントとして捉えられている。

 Fabre氏は、「5Gによるプライベートネットワークの機会はまだ訪れ始めたばかりだが、ベンダーや規制当局、標準化団体は準備を整えている」と述べている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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