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調査

5Gで加速するデジタル変革--野村総研が2024年を展望

NO BUDGET

2018-12-13 10:32

 野村総合研究所(NRI)は12月6日、2024年度までのITとメディアに関連する主要5市場の動向分析と市場規模の予測を行った。

 2024年は、日本の人口動態で、歴史上初めて50歳以上の人口が5割を超える年と予測されており、また、通信業界では、PSTN(Public Switched Telephone Network:公衆交換電話網)がIP(Internet Protocol)網に一斉に切り替えられる年でもある。NRIでは、いかなる企業も、2020年ごろに実用化が見込まれる第5世代移動通信システム(5G)、急速に進化する人工知能(AI)、モノのインターネット(IoT)、ロボットなどのデジタル技術を活用して、持続的に成長可能なビジネスモデルを再構築できるかどうかが問われているとして、今回のレポートを作成した。

 デバイス市場では、規模拡大の好循環に突入するとしており、コンピューティングパワーの拡大、大量のデジタルデータの創出、シェアリングエコノミーなどビジネスモデルの変革に伴い、AIを用いた「データ駆動型のアプローチ」によって産業間の融合が進むと同時に、これを実現するデバイスへのニーズがますます高まりつつあるとしている。

 携帯電話は2015年度から年間20億台以上販売されており、人口普及率は全世界で100%を超えている。NRIでは、携帯電話網はモバイル決済などの形で人々の生活に溶け込むとともに、日々大量のデータを生み出す巨大インフラと化しているとした。

全世界の携帯電話端末販売台数の推移と予測(地域別)
全世界の携帯電話端末販売台数の推移と予測(地域別)

 また、スマートフォンはAI機能が搭載されることにより、ますますデータ創出インフラとしての位置付けが高まってくると予測され、スマートスピーカーの普及に伴いヒューマンインタフェースの変革が進むとしている。

スマートスピーカーの保有世帯数予測(国内)
スマートスピーカーの保有世帯数予測(国内)

 ネットワーク市場では、大手携帯電話事業者(MNO)の料金値下げにより、格安スマートフォンの伸びは緩やかになるとしている。一般世帯向けの固定ブロードバンド回線の加入件数は、2018年度末の3669万件から、2024年度末には3870万件に増加するとし、これまでMNOによる光ファイバ回線とスマートフォンとのセット販売が市場の拡大要因となってきたが、スマートフォンへの買い替え需要の一服及びスマートフォンの買い替えサイクルの長期化などにより、今後は微増傾向が続くという。

 携帯電話・PHSの契約回線数は、タブレット端末やIoT機器など通信モジュールが組み込まれた機器の増加や、多様な仮想移動体通信事業者(Mobile Virtual Network Operator:MVNO)の登場などにより、2018年度末の1億7377万回線から、2024年度には1億8468万回線に増加するとしている。

格安スマートフォンの契約回線数予測
格安スマートフォンの契約回線数予測

 コンテンツ配信市場は、産業としての転換期を迎え、付加価値競争へとシフトしていくという。ゲーム市場は、消費者が有料で利用する意向が拡大しており、ソーシャルゲームが市場全体を牽引することで、市場全体は2024年度に1兆5456億円規模に達すると予測される。また、ゲームプレイが観られる動画コンテンツの盛り上がりなど、これまでとは異なるゲーム情報との接点ができたことにより、ゲーム業界に新たなユーザー層が生まれているとした。また、動画配信市場は、月額固定料金で豊富な映像コンテンツを視聴できるサービスの利用が拡大することにより、2018年度の1986億円から、2024年度には2300億円を超えると予測される。

 プラットフォーム市場では、クラウドとIoTが市場拡大を牽引していく。クラウドは、2018年度の約2兆9000億円から2024年度には約5兆円へ、IoTは2018年度の約4兆3000億円から2024年には7兆5000億円を超える規模へと、それぞれ大きく成長する見込み。

クラウドサービス、データセンター、法人ネットワーク市場規模予測
クラウドサービス、データセンター、法人ネットワーク市場規模予測
IoT市場規模予測
IoT市場規模予測

 xTech(クロステック)市場は、クラウドやIoT、AIなどのデジタル技術を活用し、さまざまな分野・業界で新しいサービスを展開したり、業界構造そのものを変革したりする動きから出てくる新市場を指す。FinTech(金融)、RetailTech(小売)、AdTech(広告)、AutoServiceTech(自動車関連サービス)、EdTech(教育)、HealthTech(ヘルスケア)、SporTech(スポーツ)、AgriTech(農業)、AquaTech(漁業)などがある。

 AutoServiceTech市場は、「所有から利用へ」というライフスタイルの変化に沿って成長する。法人型カーシェア市場は、個人顧客にとどまらず法人顧客も取り込み、都市部から地方部へと展開しながら、2018年度の3万3000台から2024年度には8万9000台に達すると予測される。またライドシェアについては、2019年度に規制が撤廃されたと仮定すると、2024年度に12万7000台の市場規模になると推計される。

 またFinTechは、個人向けのスコアレンディングと、法人向けのトランザクションレンディングの融資実行額を合わせたスマートレンディング市場で見た場合、2018年度の約580億円から2024年度の約4700億円にまで成長する。さらにAIなどを活用して自動的に投資運用を行うロボアドバイザー市場(当該サービスの運用総額)は、2018年度の約2700億円から2024年度の約1兆7000億円まで成長すると予測される。

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