海外コメンタリー

5G時代に備え、CIOが今進めておきたい5つのこと

Mary Shacklett (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2019-02-14 06:30

 VerizonとAT&Tなどをはじめとする各社が5Gネットワークのサービス提供を進めようとしている。AT&Tの最高財務責任者(CFO)兼シニアエグゼクティブバイスプレジデントJohn Stephens氏は、「5年以内には、5Gなしでどうやって生活していたのかと不思議に思うようなるだろう」と述べ、さらに「しかし、発展にはしばらく時間がかかる」と続けている。

 企業の最高情報責任者(CIO)は5Gの発展に関心を持たないわけにはいかない。この記事では、CIOがこの時期に5Gの普及に備えて計画するべき5つのことを紹介する。

1.新たな事業目標とIT部門の目標の設定

 5Gネットワークの帯域と通信速度は、現在利用されている通信技術の帯域や通信速度とは比べものにならない。このため、5Gの普及によって、これまで企業が求めていた広帯域でリアルタイムな通信の利用が急増するだろう。そしてこれは、IT部門の戦略に大きな影響を与えるはずだ。

 このことはCIOにとって、主な事業部門の役員やマネージャーと積極的に会って議論をしなければならないことを意味している。

 拡大される可能性があるビジネスアプリケーションの領域には、モバイルコンピューティングの利用拡大が挙げられる。これは、5Gでは帯域の制約が取り除かれる可能性があるためだ。データのダウンロードは、もはや制約条件ではなくなるかもしれない。またモノのインターネット(IoT)デバイスやモバイルコンピューティングデバイスは、一日中ネットワークにリアルタイムで接続されるようになる可能性が高い。このことは、すでに進行しつつあるデスクトップからモバイルコンピューティングへの移行を加速させるだろう。

 リアルタイムでのビデオ会議や、動画の利用も進むはずだ。

 これによって、リアルタイムの動画を利用したアプリケーションが爆発的に増えるかもしれない。例えば、医療における遠隔医療や遠隔手術、軍事作戦における飛行作戦への無人機部隊の利用、小売店の近くに来た消費者へのリアルタイムマーケティング、現場の修理担当者が修理内容について疑問があったときに、自宅オフィスで作業をしているその分野の専門家にビデオ会議で問い合わせをするなど、さまざまな利用法が考えられる。

2.ネットワークとインフラの見直し

 CIOは今のうちに、自社のネットワークインフラを調査し、5Gに対応するには、ネットワークのハードウェア、ソフトウェア、サービスにどのようなアップグレードや交換が必要かを考えておく必要がある。ネットワークのアップグレードには大きな費用がかかるため、複数年にわたって進むと予想される企業への5G導入の流れに合わせて、複数年かけてシステマチックに段階的なアップグレードを進めることを前提とした予算計画を立てることが望ましい。

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