この他にも人工知能(AI)を用いて、ネットワークとアプリケーションパフォーマンスのリアルタイム監視や回線障害、品質劣化の回復機能など多くの機能を備えることで、「シンガポール経由で東京-シドニーへアクセスするとパフォーマンスが低下する。米国経由の方が速い場合は両回線を観察し、自動的に高速回線を自動選択できる」(Vaughan氏)
既存のSD-WANが抱える課題として、「今日のSD-WANはクラウド時代向けに設計されていない。従来のWANはスタティック(静的)だ。シンプルさやアジャイルが必要」と指摘するのは、パートナーセールス担当バイスプレジデントのMichael O'Brien氏。
現在、グローバルで1000社以上がUnity EdgeConnectを導入していると説明しつつ、2020年度は「対象を集中化」「顧客の獲得」「パートナーの資格」「セールスエンゲージメント」「プログラムとインセンティブ」に焦点を当てることで成果の獲得を目指すと語る。Silver Peakは今回新たに「Silver Peakパートナーエッジプログラム」を設置し、「Silver」「Gold」「Platinum」の3段階で、パートナーの投資とパフォーマンスに応じたメリットを提供する。
Silver Peakが販売パートナーに提供するメリット
Silver Peak Systems パートナーセールス担当バイスプレジデント Michael O'Brien
O'Brien氏は「シネックスと協力して、パートナーを募集していく」と述べているが、2015年からパートナービジネスを手掛けてきたマクニカネットワークスに対しては、これまでの貢献に感謝しつつ、「われわれは幅広くカバーする販売パートナーを探していた。複数のディストリビューターと組む。シネックスを選択した理由はクラウドに関する深い知見を持っていたから」と説明した。
国内でも多くの企業がSD-WANソリューションを展開しているが、Vaughan氏は「Office 365のブレイクアウトをテストしたが、すべてのPoC(概念実証)において高いパフォーマンスを実現。競合他社は買収によってSD-WAN技術を取得しているが、われわれは自身が手を動かしてコードを書き、一番のイノベーションを起こしている。SD-WAN業界をドライブしているのはわれわれだ」と強気の姿勢を見せた。
シネックスジャパン ソリューション営業部門 テクノロジーソリューション本部長 清水章太郎氏
シネックスジャパン ソリューション営業部門 テクノロジーソリューション本部長 清水章太郎氏も「クラウドは成長しているが、SaaSによるネットワーク負荷増大の課題がある。回線の輻輳(ふくそう)を抑制するには(Silver Peakのソリューションが)効果的」と説明する。
「50年以上のディストリビューション実績と、マーケットリーダーと言われる(Silver Peak Systemsの)知名度をもとに市場展開したい。イベント出展時の引き合いをもとにしたハイタッチ営業、SI(システムインテグレーター)やVAR(付加価値再販業者)への訴求も行う予定だ」(清水氏)
シネックスは企業向けECサイト「CloudSolv」を運営しているが、Unity EdgeConnectと他の製品やサービスをプロビジョニングした提供も予定している。