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Workday Rising

雇用の未来を示すワークデイ--ブロックチェーン技術を使った職歴管理など発表

末岡洋子

2019-10-18 13:00

 米Workdayは、10月17日までフロリダ州オーランドで年次イベント「Workday Rising 2019」を開催した。人事分野で機械学習を土台に用いた複数の新製品を発表した中、注目はブロックチェーンで職歴やスキルを証明する「Workday Credentials」。採用プロセスなどを大きく変える可能性も秘めている。

「機械学習を受け入れない企業は生き残れない」

 13年目になる今回は1万3000人が参加した。15日の基調講演に登壇した共同創業者で最高経営責任者(CEO)のAneel Bhusri氏はまず、この1年を振り返った。

 Workdayは、人事/人材管理(HR/HCM)や財務管理、調達管理、事業計画、学生管理などの分野でSaaSを提供しており、これにデータ分析の「Workday Prism Analytics」、PaaSの「Workday Cloud Platform」といった基盤技術がある。

 Bhusri氏によると、HCMは2800社超、事業計画は4500社、財務管理は725社が利用しているという。2018年に提供を始めた調達管理では既に650社、データ分析のPrism Analyticsも275社が使っている。なお、事業計画については2018年に買収発表したAdaptive Insightsの顧客(800社)も含まれている。

 Workday Cloud Platformはまだ限定した顧客に提供している段階だが、既に79社が59のアプリケーションを本番稼働させているという。この中には、従業員の出張・移動に関する機能を構築した楽天も含まれている。Workday Risingでは、「Workday 2020 Release 1」でWorkday Cloud Platformが一般提供になると発表された。

 「Fortune 500の4割、Fortune 50の5割がWorkdayを使っている」とBhusri氏は話し、顧客の70%が本番稼働に入っていると胸を張った。直近の顧客事例としてRenaultや電通の名前も上がった。

 2020会計年度の売上高は前年比27%増の35億9000万ドル、営業利益率は12%を見通す。「Workdayは収益性があり、利益の30%を研究開発に使っている」とBhusri氏は説明する。クラウドベンダーやオンプレミスベンダーの研究開発に対する投資比率は15%だといい、その2倍に相当すると胸を張る。実際、Workdayのシステムにはレガシーなコードは1行もないという。「レガシーにならないよう、全てのコードを書き直している。新しい技術や変化に対応できる」(同氏)

 現在、機械学習を中心とした研究開発が進められている。大量のデータから洞察を導き出して意思決定を支援したり、将来を予測したりできる機械学習について、Bhusri氏は「メリットがあることは明らかだ。この技術を生かして製品やサービスを強化することができる」と話す。また、機械学習を取り込まなければ、今後は競争優位に立てなくなると危機感を示した。

 同氏によると、Workdayでは自動化、異常検出、将来予測の領域で機械学習の開発と実装を進めているという。

さまざまな製品分野で現在/将来、機械学習機能を導入していく
さまざまな製品分野で現在/将来、機械学習機能を導入していく

 Workdayのクラウドサービスは、単一のデータソース、セキュリティモデル、ユーザーエクスペリエンスを備えた“Power of One”というコンセプトを前面に打ち出している。顧客がオプトイン形式でデータを匿名化した状態で共有する仕組みがあり、他社のデータセットと比較することも可能。その上で、「データは顧客のものであって、われわれのデータではない。WorkdayはAIの倫理的な使用を重視しており、プライバシーとセキュリティをコアに組み込んでいる」と強調した。

ブロックチェーンを人事領域に活用

 イベントの開催中には、さまざまな新製品が発表された。その中でも注目なのが、職務経歴やスキルなどの証明書をブロックチェーン技術で管理する「Workday Credentials」だ。利用企業は、過去にさかのぼって変更することがない職務経歴やスキルなどの人材情報について証明書を発行、管理、検証することができる。併せて、従業員向けのモバイルアプリ「WayTo」も発表した。このアプリを使うことで検証済みのアカウント情報や仕事上の情報や個人情報をユーザーのデバイスに保存、管理、共有できるという。Workday Credentialsは2020年に提供を開始するという。

「WayTo」アプリ。学位、看護師資格、職歴など自分の証明書がカード形式で並ぶ
「WayTo」アプリ。学位、看護師資格、職歴など自分の証明書がカード形式で並ぶ

 この他にも「Workday People Experience」「Workday Talent Marketplace」「Workday People Analytics」などを発表。これらは機械学習を活用したサービスとなっている。

 Workday People Experienceは、人事関連の手続きなどを容易にするサービス。機械学習、自然言語処理、リッチメディア、エンタープライズサーチなどの技術が土台となっており、音声やチャットなどの方法でもやりとりできる。ユーザーは、どのシステムを使っているのかを意識せずに手続きを行ったり、必要な情報を得たりすることができる。

 People Experience担当シニアディレクターを務めるAli Fuller氏は、「72%の従業員が必要な情報を業務システムから得る際に不満を感じている。Workdayはこれを変える」と述べる。Microsoft TeamsやSlackとの統合も可能で、ワークフローの中で使うことができるという。

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