ネスレ日本は、EC(電子商取引)サイト「ネスレ通販」のITインフラ環境をAmazon Web Services(AWS)に移行するとともに、その運用で日本サード・パーティが提供するクラウド運用サービス「Kyrios」を活用している。日本サード・パーティが11月7日、発表した。
Kyriosは8月に開始され、パブリッククラウド環境の運用を24時間体制で代行するサービス。2次対応と継続的な改善提案までを行う高度な運用サービスながら、インスタンス単位で課金することからコストを最適化できる点が特徴になる。
ネスレはグローバル企業であることから、ネスレ通販のITインフラはグローバルの原則に従って海外のデータセンターに構築された各国共通のオンプレミス環境で運用されていた。だが、日本でのサービスは独自に展開するビジネスが多く、事業を迅速に展開する上で課題があったという。そこで、日本は独自にAWSの東京リージョンへネスレ通販のサービス環境をリホストすることになった。迅速な事業展開という課題はクリアしたものの、日本で運用することによる負荷の高まりが新たな課題として生じていたという。
ネスレ日本では当初、さまざまな運用代行サービスを検討したが、事業者の定める運用に合わせることや、発注側が委託する範囲をきめ細かく設定しなければ価格メリットを得にくいなどの問題点が多く見つかった。実際にはコンソールの作業代行にとどまる内容のサービスも多く、事業規模が大きく、グローバルで厳しいセキュリティ基準などのIT環境のルールを設けている同社の要件に見合うサービスが見つかりづらかった。例えば、システムでの重要なパッチがリリースされた場合の適用スケジュールやその実施状況の監視、レポートなどがきめ細かく定義されている。
こうした中でKyriosサービスを検証した結果、特に二次対応を含む改善施策を評価し、スムーズに移行できたとする。同社が求める運用計画にオプションを追加するだけで対応可能な柔軟性もあり、運用ではネスレ日本側の負荷が大幅に軽減された。
これによりネスレ日本は、DevOpsプロセス導入とクラウドの最適化を次なる目標として新たな施策に乗り出している。