予算計画や営業計画、需要計画、人員計画などさまざまな計画の立案と立案後の実行段階での実績管理や分析を支援するソフトウェアをクラウドベースで提供するAnaplanジャパンは11月5日から2日間、日本で3回目となるイベント「CPX(Connected Planning Xperience) Tokyo 2019」を開催。11月6日に日本市場での動向などを記者向けに説明した。
米本社であるAnaplanが米国時間10月1日に英国で開催した年次カンファレンスのCPXでは、同社サービスの新しいユーザー体験(UX)とモバイルアプリケーションが発表。日本国内でも11月6日から利用可能となっている。
“コネクテッドプランニング(組織横断的計画業務)”を中心事業に掲げるAnaplanジャパン 社長執行役員 中田淳氏はAnaplanのサービスについて「(Anaplanは)SaaSだが実体はプランニングに特化したPaaS」と表現した。
Anaplanジャパン 社長執行役員 中田淳氏
Anaplanの調査によれば、81%の企業は計画業務の作成時はExcelに代表される表計算ツールを使用し、72%の企業がオンプレミス環境で実行しているという。
中田氏は「海外から本社社員が訪日すると『日本人は表計算ツールが本当に好きだ』と感想を語る。とある約3000人が関わる予算管理・予測に携わったが、リポート作成の段階ではガバナンスが効いておらず、数字が正しく記述されていない。フォーマットのバージョン管理も負担となる『Excelのバケツリレー』状態だった」と某社の事例を語った。
計画内容は部門に応じて予算編成や人事費計画、販売計画と異なるものの、実績と比較しながら見込み予算など、将来の数字を積み上げる業務は各部門間の意思を反映する“調整”が必要となるため、年次計画の作成に半年を要するという笑えない話も耳にしたことがあるだろう。中田氏はこの状況を「根本から変えたい。それがAnaplanの存在意義」と語る。
“Analytics+Planning”から名付けたAnaplanは、統合基幹業務システム(ERP)などから取得したデータを加工、活用しながら、計画業務を作成するもの。2019年のGartnerのマジッククアドラント(Magic Quadrant:MQ)では、「Cloud Financial Planning and Analysis Solutions(管理会計)」「Sales Performance Management(営業計画)」「Sales and Operations Planning(サプライチェーン計画)」のそれぞれの領域でリーダーとして認定されている。
独自開発したHyperblock技術によるリアルタイム性もさることながら、App Hubを通じて250を超える計画テンプレートを用意し、全社予算や事業計画など業務内容に応じて計画業務の作成を可能にしている。さらにグローバルパートナーを通じて展開しているが、「日本の顧客はプランニングに対するこだわりが強く、テンプレートから始める顧客もいるが、現状のプロセスのBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)で最適化した後、Anaplanに乗せるケースが多い」(中田氏)という。