下記に、インクルージョンを意識した職場環境を構築するために、筆者が学んだことを共有します。
意見やアイデアを共有するための明確なチャネル
効果的なインクルージョンには、エンパワーメント(権限を与えること、自信を持たせること)が必要不可欠です。企業は、すべての人種や異なる性別を持つ社員が、意見やアイデアを共有できる環境を整える必要があります。企業が変化を目指す場合に、社員が不利益を被ることのないように慎重に進めることが重要です。
エンパワーメントにはさまざまな形式がありますが、最も簡単な方法はメンターシップ制度です。上級社員と長年勤続している社員と新入社員を一組にします。こうすることで、新入社員特有の障壁を和らげるだけでなく、発言する自信を持たせることができます。
また、エンパワーメントのもう一つの方法として、ナレッジを共有するセッションを活用することもできます。セッションは堅苦しい形式ではなく、誰でも自由にトピックを選択して発表できるカジュアルなミーティングです。
他のチームや他部署の社員に、彼らが取り組んでいる興味深いプロジェクトや困難なプロジェクトに関して、どのようなアプローチ方法を活用しているかを共有してもらいます。例えば、イベントマーケティング担当者は、昼食の時間を活用して、イベントの計画の立て方やマーケティング手法、イベントの運営、目標達成の測定方法について共有することなどです。
このようなセッションには2つの目的があります。まず、発表者が社内の人と、自分自身について共有する機会を与えるためです。第二に、聞き手の参加者にとって、今まで経験したことのない事柄についてスキルアップする機会を作るためです。
また、このようなセッションを自由参加にすることで、規模は小さくなり、話者は緊張感を持たずにリラックスして話すことができます。このプレッシャーの低い和やかな雰囲気により、社員は自分自身を最大限に表現することができます。
一対一のコミュニケーション
一人ひとりの社員が、社内の社員数の数合わせではなく、それぞれが個々の才能を持つ個人として評価されており、彼らの存在が企業文化に貢献していることを意識させるのは非常に重要なことです。一対一で会話をする場を設定することで、それぞれのモチベーションを明確にすることは大切な機会です。
社員のモチベーションに耳を傾けることで、彼らの意見がしっかりと届いていること、理解されていることを意識させるができます。また、聞く側である社員は、必要な情報やサポートを、適切な方法で提供できるように準備することが大事です。
会議をする環境への強い意識
どのような頻度であれ、社内会議を行うことで、社員それぞれに価値があり、彼らの意見が企業にとって意味を持つということを、社員は認識できます。しばしば見過ごされたり誇張されたりすることもありますが、会議に参加することは非常に重要です。
自分が会社の輪に含まれていると感じていない社員は、壁際の席を選んだり、座席が少ない場合には、立って参加したりする傾向があります。十分なスペースが確保できるように座席の配置を工夫するなど、全員が着席できるように心がけてください。